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また罠ですか!!

「……見えません?だいたい90度間隔で壁に魔法陣が浮かんでいますよ。そこから今もワイバーンが出てきてますよ。まだ共食いしてますが。」


「え?いやそんなの見えないが……。でも、そんなことがあるか?」


 アカリさんが警戒を解かないままですが、私が指さした方向を見てそう返してくれました。


「そうだな。これまで突然モンスターが現れたと思っていたが、それよりかは魔法陣で召喚されていたっていう方がまだ納得はできる、か……。」


「でもそうなるとどうして僕達には魔法陣が見えないんだろう?周囲に幻惑系統の魔法でもかかっているのかな?でもそんな高度な魔法がなんでこんなところに……?」


 幻惑系統の魔法は無属性魔法の派生魔法としてのみ使える魔法です。派生魔法という通りにこの魔法は結構高度な魔法です。大抵は自分達の周囲に幻惑の魔法を使って魔物たちから見えないようにするために使われていますね。魔法使いはもちろん、剣士の周囲にこの魔法を展開することで相手に気づかれないように接近できるとか。


 ですが、こんな便利な魔法は当然使うのが難しいです。なにせ動き続ける人に常に焦点を合わせて魔法をかけ続けるんですから、集中力を切らすことは絶対できないんですよ。たいていの魔法は発動させればそれでおしまいですからね。


「まあとりあえず、その場所まで行ってみようよ。今もルナちゃんのおかげで今の所モンスターの心配は大丈夫そうだし。」


「そうだな。ルナ、頼んだ。」


「はい。こっちですね。」


 イゾウさんに言われて、4つある内の一つに歩いていきます。ハイワイバーンの中には私達に突っ込んで来ようとしているのもいるんですが、途中で私に魅了されている同種のモンスターに阻まれています。……ですがその数はだんだん少なくなっているので早めに済ませましょうか。


「は!?おい、マジか。本当にこんなのがあるのかよ。」


「こんな魔法陣が本当に……!?これまで何回も来てたのに一回も気づかなったぞ。」


「しかも本当にワイバーンが出てきてるし。っていうことはこの魔法陣の周囲に幻惑の魔法をかけていたのか……。これを隠したかった?一体誰が?何のために?まさかダンジョンがかけるわけもないし……。」


 おっと、なんか皆さんがブツブツ言っていますね。幻惑の魔法の有効範囲の内側に入って見えるようになったんでしょうか。

 幻惑魔法の効果範囲はだいたいが隠したい対象の周囲1メートルから外です。なので今回では魔法陣から1メートル以内に入ることができればその間だけは魔法の効果が切れるということですね。


「えっと、どうしましょうか?」


 出てきてすぐのワイバーンを斬っていたイゾウさんに声をかけます。


「ん?あー、普段だったら出てくるモンスターを倒しきればクリアだったからなぁ。よくわからん。この魔法陣を壊したらクリアになったりするのか?」


「壊したらもうここにモンスターが出てくることはないから多分クリアっていうことになるんじゃないかな。絶対とは言えないけど。」


「だが、そもそもこの魔法陣を壊せるのか?言っておくが私らにはできないからルナちゃん頼りになってしまうが。」


 魔法陣の破壊ですか。……微妙ですね。


「できるかどうかはやったことがないので分かりませんが、やり方自体は知っています。やってみましょうか?」


「頼んだ!もしなんかあっても俺たちがいるから大丈夫だしな。それにこんなことは俺たちも初めてだからちょっと楽しみだ。」


「こら!貴様、さっきルナちゃんに叱ったことと真逆のことを言うな!もっと緊張感を持て!」


 あー、また始まりましたね。この二人は本当に仲がいいんですね。


「じゃあ、やっちゃっていいですか?」


「うん、もちろん。アカリもあんなこと言ってるけど絶対ワクワクしてるからね。」


「……つまりは同類と?」


「そういうこと。今回はいいんだけど、お店とかでやられるとちょっと困るよね。巻き込まれる身にもなってほしいよ。」


 おー、すごい負のオーラですね。そうなんだろうとは思っていましたが、本当に苦労人気性だったとは。……可哀そうに。

 さて、リュウマさんから許可ももらった事ですし、早速始めていきますか。


 手順は簡単です。直接触れて、魔力を流し込むだけです。そもそも魔法陣自体が魔法みたいなものですからね、魔法陣を作った発動者以外の魔力が入ってくると他の魔法と同じように簡単に壊れてしまうんですよ。まあ魔法陣を共同で作っていたら話は少し違うんですが、今回は割愛しますね。


 時間はあまりかからないと聞いているのでサクッとやっちゃいましょう。手を伸ばして、魔法陣にその指先が触れました。


 その瞬間、青かった魔法陣が真っ赤に染まりました。そして壁を伝って天井の方にまっすぐ移動していきました。他の3つの魔法陣も同様に移動していたようで、天井で4つの魔法陣が重なりました。


 そしてそれらが融合して天井を覆い隠すような大きさの魔法陣に変わりました。……こんなの初耳なんですが。魔法陣って重なって大きくなるんですか?


 ですが、異常事態はこれだけでは終わってくれませんでした。


――ドクンッ!!ドクンッ!!


 しまっ、た……!月光を直視してしまいました……!いや、これは……?何かが違います。


 目の前に大きな影が落ちてくるのを見ながらも私は月を見たことで強制的に起こった回帰に身を任せることしかできませんでした。

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