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こってり絞られました…

「わかったか?敵があまりに弱かったから誤解をしてしまっているかもしれないが、元からダンジョンは危険な場所だ。油断などかけらも許されない。挑発などもってのほかだ。」


「……はい。」


「……もうわかっているだろうからもう特に言うつもりはないが、次からは気を付けろ。特にルナちゃんはこれから自分よりも弱い冒険者と組むことが多くなるだろうから十分以上にな。ルナちゃんが思っている以上に同じCランクの冒険者は弱い。パーティーレベルでCランクの実力があったら、上がれてしまうからな。一人でCランクの力があるルナちゃんとは言葉は悪いが、格が違う。」


「……ごめんなさい。」


「うん!なら話はおしまいだ!じゃあ3層行くぞ!」


 そう言うと、アカリさんは階段前でリュウマさんと話しているイゾウさんを蹴っ飛ばして突き落としてから、その後を追いかけるように階段をすごい勢いで降りていきました。


 ええ……?さっきまであんなにまじめな話をしていたのに落差が激しいですね。というか大丈夫でしょうか。結構しっかり頭に蹴りが入っていたような気がしますけど。


「あはは、じゃあ僕達も追いかけようか。」


「……そうですね。」


 これから最難関ダンジョンの最深部、3層に向かいます。しっかり気を引き締めていかないと。



 階段を降りると、そこは暗い闇に満ちていました。……いや、これは?ただの闇ではないですね?でもなぜか親しみというか、何か既視感のようなものを感じます。

 すると、扉の前に立っていたイゾウさんが扉ではなく口を開きました。珍しいですね。


「……ここからは気を付けろよ。この3層こそがここが最難関ダンジョンと呼ばれる所以だ。ただでさえ層を追うごとに強くなるモンスターはこの階層で一番強くなる。ここら辺じゃダンジョン外部にはほとんど現れないレベルのモンスターだ。

 そして最悪なことに――()()()()()敵に回る。」


 環境が敵に回る?一体どういうことでしょう?


「ほら、ダンジョンの外の魔物は昼よりも夜の方が強力になるだろう?少し前のスタンピードでも時間が夜に変わったりしたしな。要はそういうことだ。」


「つまり、この3層は夜っていうことですか?」


「その通りだ。この3層は常に薄暗い部屋を天井からの月光が照らしている。俺たちにとってみれば最悪だが、モンスター共にとっては最高の環境だっていうことだ。」


 なーるほど。なら私にとってもホームですね。吸血鬼ですから、私。とはいえ、できれば吸血鬼であることはばれたくないですから変身はしないように気を付けましょう。

 月属性魔法をお父さんに教えてもらったおかげで、月を見ただけですぐに吸血鬼の姿に戻るということは無くなりましたから。


「よし、説明もしたから行くぞ。この層は競走とかはしねぇぞ。全員で最速で突破するぞ。時間をかければかけるほど向かい風になる。」


「そうだな。私らでものんびりしてたら詰むこともあり得るからな。」


「そうだね。じゃあルナちゃんはちょっとこの層は見学っていうことでよろしく。自分で言うのもなんだけど、Aランク冒険者っていうのは伊達じゃないっていうところを見ててほしいな。」


 あらら、私はこの層では見学ですか。まあしょうがないですね。……少し残念ですね。せっかくここなら全力で戦えそうなんですが。

 まあ我儘を言っている場合ではありませんね。


「分かりました。私は後ろの方で見ておくとします。」


「そうしておけ。さあ、行くぞ。」


 イゾウさんが扉を開けました。部屋の中には濃密な闇で満ちています。ですがすぐに天井から淡い光が照らされます。

 ようやく部屋の中の全貌が見えるといった感じですが、おかしいですね、どこにもモンスターの姿が見えません。

 私の困惑に気づいたのか、近くにいたリュウマさんがさっと近づいてきてくれました。


「この層だけは俺たちが部屋の中央の魔法陣を全員が踏まないとモンスターは姿を現さないんだよ。だから部屋の中央から動かないようにしてね。」


「分かりました。そこらへんも変わってるんですね……。」


「そうなんだよね。この構造上どう頑張っても囲まれている状態からスタートになっちゃうのも難易度を跳ね上げてるね。」


「難易度の上がり方が異常じゃないですか……?」


「そう思うよね。僕もそう思うし。……さ、じゃあここからできるだけ動かないようにね。すぐ終わると思うけど、今回はいつも通りにはいかないかもしれないから。」


 そう言うと、部屋の魔法陣にリュウマさんが足を踏み入れました。イゾウさんとアカリさんは魔法陣の端っこの方に立ち、刀を抜き身で構えてすぐにでも動き出せるような体勢をしています。


 そして私とリュウマさんの足が魔法陣に触れた瞬間、この部屋全面に大量の気配が現れたのを感じました。しかもこの感じって……。


 周囲を慌てて見渡すと、1層で戦った竜が8方向につき一体づつ、そしてそれ以外にも大量のワイバーンが現れていました。……いえ、このワイバーンも見たことがあるものと少し違いますね。色が濃い……?大きさも少し小さいですが、これはただ小さいというよりも引き締まっているという方が正しい印象を受けます。

 となると、


「ハイワイバーンもか……。面倒だね。」


リュウマさんの口から洩れた言葉が私の耳に入ってきました。

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