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2層もめちゃくちゃ長いじゃないですか!!

「なっがーい!!!」


 部屋の中に私の絶叫が響き渡りました。


「いったいどうなっているんですか!?もう1層の時よりもたくさんの部屋を突破したじゃないですか!!なんでボス部屋が出てこないんですか!?!?」


 魔法が大好きですけどそろそろ飽きてきましたよ。もう全然進んでいる感覚がないですよ!


「あはは。まあそれがここが魔都周辺で一番難易度が高いダンジョンって言われているゆえんだね。その後のボスだけだったら、万全の体勢で挑めたらCランクの冒険者パーティーでも勝てるくらいなんだけど……。」


「そんな慌てんなよ。ダンジョン攻略で一番大事なのは常に冷静であることだ。このダンジョン以外じゃ、背後からモンスターに襲われる何てこともざらなんだからよ。」


「ふふ。ならルナちゃんも競走するか?そうすれば多少は楽しくなるかもしれないぞ?」


 私の絶叫に対し口々に返してくる皆さん。でも違うんです。私が求めているものは説明でも、説教でも提案でもないんです。ボス部屋です。


 今はただ手ごたえのある相手と戦いたいんです。その戦いの中ででないと私は成長できないような気がするんです。今出てくるモンスター相手では中級魔法で完全に事足りてしまいます。上級魔法なんて使う必要がないんです。


「違うんです。もっと私は強いモンスターと戦いたいんです。じゃないと強くなれないじゃないですか。」


 3人は私の言葉にポカーンと口を開けています。そして代表するようにイゾウさんが言葉を発しました。


「……ルナはなんで強くなりてぇんだ?服装を見るに生活に困っているわけでもない。ランクを上げて名声を上げたいとかでもないだろう。それにルナほどの実力がありゃ、探せば仕事なんていくらでもある。なのになんでわざわざ危険な冒険者になって、しかも強くなろうとしてんだ?」


「え……?」


 イゾウさんの素朴な疑問に、私が返せたのはただの1音の返答だけでした。


 そういえばなんででしょう?なんで私は今もこんなにダンジョンに潜っているんでしょう?おかしいです。冒険者ギルドに登録する前であれば寝ることこそが至高だったはずです。なのになぜか今は休む時間も惜しんで戦闘につぎ込んでいます。


 なんで?確かにおかしいと気づけている今でさえ、まだ戦いたいと血が騒いでいます。もっと強くならなければならないと。休んでいる暇など無いと。もっと戦え、戦え、戦え……!!


「ルナちゃん!?大丈夫か?!」


「はぁ、はぁはぁ……!!……大丈夫です。ただの立ち眩みです。」


「……なんか悪いことを聞いちまったみてぇだな。忘れてくれ。」


「いえ、言われるまで考えもしませんでした。しっかり考えてみます。」


「そうしてみろ。なくても構わねぇが、あっても損はしない代物だ。なら持っといたほうがいいに決まってる。なにせ自分の根本につながってるんだからな。……さて、張り切って続き行くとするか!!」


「あっ、次は私だぞ!ぬかすな、貴様!」


 またイゾウさんとアカリさんの二人が大騒ぎしながらずんずんと進んでいきます。そしてその後ろ姿を私とリュウマさんはゆっくりと追いかけていきます。


 ――なぜ強くなりたいのか?


 大金持ちになるという人はいるでしょう。同時に世界に名前を知らしめたいという人も。もしかしたらもっと別の理由がある人もいるかもしれません。分かりやすいのでいえば、復讐とかでしょうか。


 ですが、冒険者ならだれでも持つであろう夢が私にはなかったんです。私には分かりません。きっと最初は何か建前としてでも持っていたはずですが、それすら思い出せません。


 ……どうしてでしょうか??


 もっと自分の奥深くまで行けば見つかるのでしょうか?根本につながってるんですもんね。ちょっとだけ、ちょっとだけならいいですよね。


「ルナちゃん!ボーっとしない!待ちに待ったボス部屋だよ!!」


 思考の海に潜りかけた私でしたが、リュウマさんの声で意識を取り戻しました。


「すいません!」


 そう声を上げながら周囲に視線を配ります。すると、部屋の中央に大きな魔法陣が展開されています。


 そしてそれが発動して――ドラゴンが現れました。1層でみたドラゴンよりも姿は大きいし、鱗からも年月の流れを感じるような深みを帯びた色合いをしているように見えます。


 そしてそのドラゴンは静かに周囲を見渡し、そして全員の場所が見えるように中央から端の方に翼を震わせて移動しました。


 ……こいつ、頭いいですね?かなり厄介ですね。

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