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うーわ、予想通りですね。

 大して依頼を受ける予定はありませんでしたが、着て行く服がなかったので外出用の服を着ていくことにしました。……普段来ていた訓練用の服はドラゴンとの戦闘で大きく破れてしまっていてもう着れそうになかったんですよ。そろそろ新しい冒険者用の服を新調したいですね……。


 うーん、この服別におかしくないですよね。ちょっときれいな恰好をしてきてしまったんですが。いえ、別にドレスを着ているとかではないです。ただ、その冒険者ギルドでは浮きそうというか、なんというか。それにお母さんにいつの間にか髪の毛をいじられてますし。


 まあ、もう冒険者ギルドについてしまったのでもう遅いんですが。はぁー、ソフィアさんに頼んでみますかね。


 心なしか重たいガラス扉を押してギルドに入ります。さーて、帰宅RTAを始まりました!本日のタスクはたった一つです。ソフィアさんに話しかけて、Cランク昇格の手続きと手紙についての話をすることです!


 場違いな恰好をしているからでしょう、ギルドにいる冒険者達からはそれなりに視線を向けられているようです。ですが、それは私だからではありません。私の恰好のせいです。そうに決まっています。


 スタスタとギルド内を歩いてソフィアさんの所に向かいます。不思議なことに視線は外れませんが、気にしたら負けでしょう。


「ソフィアさん、お久しぶりです。」


「……え?どちら様ですか?」


「えっ!?」


 ……マジですか!?もしかしてあの時記憶喪失でもしてしまったんでしょうか!?ちょっと泣きそうです……。と、とりあえず冒険者カードとギルマスから送られたCランク昇格の手紙を見せればもし、私のことを忘れられていたとしても何とかなるはずです!


「えーっと、私はこういうものなんですが……。」


「……え?ちょっと待ってくださいね。え?……ルナさん、ですか?」


「ルナさん、ですよ?」


 何度も冒険者カードの名前と私の顔を見比べて、絞り出された声にはっきりと答えました。


「……びっくりしました。毎日のように同じ服を着てきていたのでファッションにそこまで興味がなさそうだと思っていましたが……。今日は随分とおしゃれをしているんですね。」


「普段着ていたのがもう着れなくなってしまったんですよ。例の件で大きく破れてしまったみたいで……。」


「あー……。では今度私と一緒に買いに行きましょうか?いいところがあるんですよ。」


 えっ!?予想外の提案に一瞬頭が固まりましたが、それでも答えは決まっています。


「いいんですか!?是非行きましょう!この後にでも!」


「了解です。では、まずはその前にCランクに昇格させましょうかね。Cランク用の冒険者カードを持ってくるので少々お待ちください。」


 そう言うとソフィアさんが席を立って奥の方に向かって行きました。


 いやー、それにしてもこれから買い物ですよ。この世界で初めて家族以外の誰かと買い物に行きますよ。本当に楽しみです。いやー、魔法少女のような服も着てみたいですし、他にも吸血鬼っぽい恰好もしてみたいです。ほら、ゴスロリとか。

 残念ながら杖とかは持てないんですが、でもファッションとして持つのはありじゃないでしょうか。ほら、ギルマスだってあの時腰に提げて剣を使ってなかったですし。なら同じように腰に提げるだけの杖があってもいいですよね?


「すまない。ちょっといいだろうか。」


 ……なんでこういう時に限って声をかけてくるんでしょうか?ものすごい気分が上がってたのに、水を差された気分です。

 振り返ると、そこには和装をした男性が立っていました。その腰には二本の日本刀が下げてあります。


 え?日本刀?……この世界にもあるんですか。イラっとした気分が少し晴れましたよ。へぇー、なら和食がこの世界にもあったりするんでしょうか?……いえ、これはあとでいいでしょう。


「何でしょうか?」


「一般人のような恰好をされているが、結構な実力者ではないだろうか?その立ち居振る舞いというか、雰囲気が強そうなのだが……。もしや、最近こちらに来られた上位ランクの方だろうか?」


 おや?全然思っていたのと違う人でした。でも私が強そうですか……?うーん、月が出ているときならいざ知らず、少なくとも今はそこまでではないでしょうか?


「私はそこまで強くないですよ。それに私の生まれも育ちもここです。」


「そうか。……今度俺のパーティーと共同で何か依頼を受けてみないか?ここら辺の実力者の名前とその力くらいは知っておきたいんだ。あ、俺はAランク冒険者のイゾウだ。」


「そうですか。私はルナ。Dランク冒険者です。」


 ……。……。……え?今Aランクとか言っていませんでしたか?あれ?おかしいな。

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