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吸血鬼って一体なんですか?

 エウロペさんは私がソフィアさんからの手紙を読んでいる間に気が付いたらいなくなっていました。


 でもそうですか。あの時、やはり私は吸血鬼になっていたんですか。いえ今も吸血鬼なんですけど、あの時のように空を飛べるような感じはしないんですよ。それ以外にも、血属性魔法の使い方を今は思い出せないですし。

 おそらく、月が出ているときだけの限定で使えるというような感じでしょうか。……まだ、わからないことが多いですね。


「ルナ様、何かお召し上がりになりますか?よろしければ、こちらに運んできますが。」


「うん、お願い。」


 そういえば、お腹が空いていますね。一週間ぐらい寝たきりだったのであればしょうがないところではありますが。


 それにしても貴族に狙われる、ですか。あの連中は勘違いしているのが多いですからね、関わるのは面倒くさいです。そもそも社交に興味がなかったので関係をできるだけ持たないように立ちまわっていましたが、それでも私は両親が両親なのでそれなりに注目はされていたんですよ。

 いい意味でも悪い意味でも。なにせ英雄の娘です。私に好意的に接してくれる人もいましたが、僻んでくる人も少なからず存在したんです。家柄が古くなればなるほど、その傾向が大きくなっていましたね。本当によくわからない連中です。家がどれだけ立派でもそれと本人は関係ないんですけど、なぜか見下してきますよね。この世界で人間が嫌いになりかけた原因です。


「ルナ様、食事をお持ちしました。……どうしましたか?」


 おっと、思い出したら結構イラっとしていたみたいです。そんなことよりもご飯を食べましょう。




「ごちそうさま。」


「はい。ではお皿を回収しますね。」


「うん。あ、アロエ。お父さんは今家にいる?」


「いらっしゃいますよ。執務室で仕事をなされているようです。」


「ありがとう。ちょっと行ってくる。」


 吸血鬼のことを聞くにはお父さんに聞くのがおそらく一番でしょうからね。朝ごはんを食べている最中に思いつきました。お父さんも吸血鬼じゃんと。


 アロエに食器とかを片づけてもらってから服を着替えます。さすがに家族でも仕事をしているお父さんにパジャマで会うのはちょっと……。適当な部屋着に着替えてからお父さんの執務室に向かいます。


 2階にある私とお兄さんの部屋の隣に、両親の寝室があります。ですが、お父さんの執務室は2階ではなく、1階にあります。なのでたたたっと階段をおりて、リビングと玄関を通り過ぎるとお父さんの執務室に到着です。


 コンコン、っとノックします。しないと怒られますからね。すると、中からどうぞ、という声が聞こえてきました。なら入りますか。


「おはよう。もう目が覚めたのかい?」


 執務室に入ってすぐにお父さんから声をかけられました。手はペンを握っていて


「はい、先ほど起きました。」


「そうか、それはよかった。僕の時はもっと長かったような気がするからね。」


「……と、言いますと?」


「おや、てっきり吸血鬼のことについて聞きに来たのだと思ったんだけど、違ったかい?」


「いえ、その通りです。教えてください。」


「いいよ。とはいっても、僕もそこまで知っているわけではないんだけどね。


 まず、基本的なところから話していこうか。吸血鬼はこの地上の生物の中での上位種として存在しているよね。全てのステータスが他の種族よりも高いのと、高い治癒能力からそう言われているわけだけど、実はそれを裏付ける神話のようなものがあるんだ。それを知るものは限られているけど、その存在が吸血鬼を上位種足らしめている。」


「神話ですか?」


「うん。簡単に言うと、はるか昔に吸血鬼がこの世界を救ったという話だよ。そのおかげで人数がとても少なくなってしまったんだけどね。しかもこれはおとぎ話ではなく、史実として確実に起こったことが分かっているんだ。だから吸血鬼は数がとても少なくなったけど他種族からの敬意と感謝を受け、ひっそりと生きていくことができているんだ。今じゃ生きる伝説クラスだよ。戦争を止めたことで英雄なんて呼ばれている僕はもう隠せていないけど、それ以外の知り合いはもう隠居生活をしてるからね。あれは僕だけでやったわけでは無いのに……。


 で、次に吸血鬼の特徴とかだね。月に魅了された種族と言われているように月と関連があるんだ。もう気づいているかもしれないけど、出ている月が大きいほど吸血鬼は強くなる。ついでに言うと、初めて満月を見た時に吸血鬼は血が目覚める。上位種として覚醒するといってもいいね。こうなると吸血鬼固有の魔法である月属性魔法か血属性魔法のどちらかを使えるようになるんだ。だからルナももう使えるようになってるかもね。」


「覚醒をすると、どちらかの魔法を使えるようになるんですか?」


「うん。それだけじゃなく、吸血鬼として平均的な能力を獲得するまで成長スピードが急激に上がるよ。だいたいAランク冒険者でも上位に入れるくらいの実力になると思うよ。僕がそうだったからね。」


 なるほど、吸血鬼のことは何となく分かりました。やはり月と関連があるようですね。ただ、聞かなければならないことが一つあります。


「どうやら月属性魔法と血属性魔法の両方を使えるようなんですが、私。」


「え?」

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