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スタンピード 急・5

「え!?」


 隣でシスの驚いたような声が聞こえてきた。でももう間に合わない。まっすぐ俺めがけて飛んできていて、今から避けても回避しきれないのは明らかだった。そしてよく見ると、飛んできているのは魔物だった。


「ギルッ!危ない!!」


 横から突然タックルを受けて俺は倒れた。そして倒れてすぐにシスに抱き着くように押し倒されたのだと気づいた。

 急いで立ち上がらないと!おそらく飛んできた魔物は落下の衝撃でもう消えているかもしれないけど、スタンピードはまだ終わっていない。魔物と距離を詰められたら俺たちがどうなるかなんて目に見えている。


「ありがとう、シス!早く起き……!」

「あああッ!!」


 耳をつんざくような悲鳴が聞こえてきて思わず口をつぐんだ。俺はうつぶせに倒れているから様子が見えないが、何かシスにあったようだ。


「嘘っ!!」

「シス!足がっ……!!」


 レイとミナの声が聞こえる。二人は無事だったんだな……!


「どうした!?教えてくれ!」

「し、シスの足が……!!」

「潰れ、てる……!」


 え……?嘘だろう?俺のせいで……?シスの足が……?


「回復魔法では治せないのか!?」

「分からないけどやってみる!」

「ちょっと待ってて!


 ミナとレイが手をかざして魔法を発動させる。その魔法の余波で俺も倒れた時の傷が治っていく。でも、全然回復魔法を止める様子がない。まさか、治らない……?


「無理だ……。無駄な魔力を使うな……!もう足の感覚がないんだ。この状態じゃ師匠でもすぐに治すのは無理だ。」

「そんなこと……。じゃあどうするの!?」

「お前らはさっさと行け!俺たちは腐ってもあの偉大な師匠の弟子なんだ。何かできることが必ずある。作戦通り、ここは逃げろ!そうすればお前達は絶対に役に立つ!」

「シスは!?」

「俺はここで最後の仕事をしていく。師匠の弟子として最後まで悪あがきをして見せるさ。」

「でもっ!!」

「いいから行けっ!!ここで全滅したいのか!?」


 シスからの鋭い言葉にミナとレイの魔法が止まった。そしてそれと同時俺にかかる重さが軽くなっていった。


「おい、ギル!起きれんだろ!早く起きろ!もう魔物が来てるぞ!」


 ……言ってることは分かる。いいや、分かった。だから、


「おい!てめっ、おいギル!何してんだ!?」

「行くぞ!ミナ、レイ!」

「っ!分かった!!」

「牽制は任せて!」


 そう、今俺はシスを肩に乗せて走っている。しかも魔物相手に背を向けながら、自分で自分に支援魔法をかけながら走る。ミナとレイは魔法後方に魔法を撃っているが、明らかにさっきよりも近い場所にいるだろう。


「いいから下ろせよ!ギル!お前らも死ぬぞ!!

「バカ野郎!お前を一人で死なせるわけねえだろうが!!」

「はぁ!?なんでだよ!!」

「いいから死にたくなきゃ、俺たちを死なせたくなきゃお前も後ろに魔法を撃て!じゃなきゃ本当に死ぬぞ!」

「っ!あー、くっそ分かったよ!死ぬ気で走れ!」


 シスもここでじたばたするのはまずいと思ったのか後ろに魔法を撃ち始める。でも、それでも魔物との距離は離れていないだろう。聞こえてくる足音の大きさが変わっていない。


「ッ!?おい!また飛んできたぞ!右に飛べっ!」


 いわれた通りにまっすぐ右に飛んだ。今度は間に合うか……?


「一刀流奥義!居合唐竹斬り!」


 そんな少女の凛とした声が聞こえてきた。それと同時に何かが斬られる音とダンジョンの魔物が消えるとき特有の蒸発するような音が耳に入った。


「見つけたぞ、リュウマ!」

「うん!前衛は引き受ける!だから後退しながら魔法で援護頼む!」

「あ、だが支援魔法はしなくて大丈夫だ!とにかく速く後退してくれ!」


「わ、分かった!」


 同じAランクのアカリさんとリュウマさんが来てくれぞ!これなら何とかなりそうだ。




「何やってるんですか!?」


 あまりに大きな魔物が来る数が少なかったので様子見にダンジョンの入り口に近づいてみてみましたけど、そこでは私と同じ横ラインを維持するっていう作戦だったはずの4人がそこで戦ってました。いや、これはまずいですよ。だって私はダンジョンの入り口と魔都を直線で結んだその上に立っていたんです。でもスタンピードはどうしても放射状になるので横に広がる必要があるんですが、本来この4人が止めるはずであった魔物はどうなってるんでしょうか?しかもトリトンさん達は二人ともここに来てますよね?つまりトリトンさんが止めるはずだったところは魔物たちは素通りしてるんでしょうか?


「……あー、ソフィアさんっすか?」

「ヨモギさん!?なんでそんな血だらけなんですか!?」

「……いえいえ、何もないっすよ。」

「そんなわけないじゃないですか!!いいからこれから手当を……。」


 そこまで言った時、空から光が消えました。空から太陽が消えて、夜空が広がりました。


「まさか……!?」


 そしてその深い夜空の中心に妖しく赤く光る月が浮かんでいます。

今日はまた14時、20時に投稿します。

よろしくお願いします!

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