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手を貸してあげましょうか?

最初はソフィア視点です。途中からルナちゃん視点に変わります。

「……ッ!まさか、変異種!?そんなことが……!彼女には本当に申し訳ないことを……!」


 そう、その紙には変異種エレクトロ・スライムという名前が書いてありました。


「いいや、問題はそこじゃない。ルナなら変異種が出てきても大丈夫だろう。問題はこいつら変異種はめったに自然発生しないところだ。しかも自然発生してもルナが行くようなところには出てこない。」


 確かにそうです。変異種はめったなことでは出てきません。そもそも本来の魔物とは異なる高い攻撃力や特殊能力を持っているから変異種なんです。出てくるのはそれこそ難易度が高いAランクの冒険者向けのダンジョンだけです。それ以外に出てくるとしてもこんな街の近くでの発生はしないですし。


「……、え……。」


 ……あれ?もしかして、そういうことですか……?でもそれだと現在進行形でこの魔都に脅威がせまっているということになります。……でも、それ以外に理由が思いつきません。


「……つまり、ダンジョンから漏れ出した魔物である、ということでしょうか?」

「そうだ。しかもおそらくは最終ダンジョンとつながっている竜の爪痕からだ。そしてダンジョンからモンスターが漏れてきているとすれば、今ちょうど東側の支部の方で負傷者が増えているはずだ。その確認のためにこれから向かうぞ。

 ……もし、負傷者の増加が確認できた場合、ダンジョンからモンスターがあふれていることはほぼ確定だ。

 ……つまり、5年ぶりのスタンピードだ。早急に対策を立てる必要がある。」


 そこまで言うと、ギルマスは机の中から緊急時用のポーションがたくさん入ったアイテム袋を取り出しました。


「行くぞ。ソフィアもついてこい。一応装備一式を持ってな。」



 はーい、街の外に出ましたよー。今日の依頼はゴブリンの群れの討伐です。まあいくら群れているとはいえ、ゴブリンでは大して苦労しないでしょう。

 でも教えてもらった場所は意外と遠いんですよね。適当にマナ・エコーを使いながら歩くだけなので本当に暇です。そろそろ私も誰かパーティーメンバーを見つけた方がいいでしょうかね?でも、強いかもしれないけどすごいとがってますからね、私。誰か組んでくれる人いるんでしょうか……。


 ……ん?おかしいですね。かれこれ30分くらい歩いていますが、魔物はおろか全然生き物の反応がしませんよ?今日は皆さんお休みなんでしょうか。まあそんな日もありますか。一日中寝てたい日だってありますもんね。……え?毎日じゃないか、って?そうですけど?なんか問題ありますか?私は吸血鬼なので昼は寝るんですよ。


 ……お!?そんなくだらないボケツッコみを一人でしていたら突然反応が二つも出てきましたよ!しかもこの感じ、片方が追われていますね。魔物に追われているのであれば助けてあげたいですが、どうしましょう。途中で横取りしたとか言われませんかね?でも見て見ぬふりしてあとで後悔するのも嫌です。

 ……近づくだけ近づいてみますか。


 少し近づくと、一人の5、6歳くらいの少年が魔物から逃げているところが見えました。あの魔物はオークですね。ランクスキップ試験で一度だけ戦いましたよ。


 あっ、危ないですよ!オークの右腕がかすりました!

 かすっただけに見えましたが、少年の体はよろめいて倒れてしまいました。あの体躯から放たれた攻撃ならかすっただけでもそれだけの威力を持つでしょうね。それに場所もよくありませんでした。こんな隠れる場所がないところですと逃げようにも逃げられないでしょう。


 ……しょうがないですね、助けてあげましょうか。


「……アイスウォール。」


 倒れた少年にオークの太い腕が振り下ろされたその時、その間に氷の壁が地面からせりあがりました。その氷の壁はオークの体重がのった一撃をヒビが入ったとはいえ、防いでみせました。

 今ですね。


「大丈夫ですか、少年?」


 少年に近づいて声をかけると呆然としていた少年がはっとこちらを見上げます。


「う、うん!ありがとう、お姉ちゃん!」

「礼ならまだです。それよりもあれは私が倒してもいいんですか?それとも罠とかを仕掛けていたりします?」

「ううん!薬草採取の依頼を受けたんだけど、その途中であの化け物に見つかっちゃって……。」

「分かりました。少し下がっていなさい。」


 その私の言葉と同時に氷の壁がパリーンという悲鳴を上げながらオークに壊されました。オークは私を敵だと認識したようで、その瞳に強い敵意を浮かべています。


「残念ですが、今日は遊んでいる時間がありません。一撃で終わらせてあげます。」

「ブモオォォ!」


 ドスドスと地面を踏み鳴らしながらオークが近づいてきます。なるほど、確かにとんでもない迫力です。それこそ死を感じるほどです。

 でも、私の前でそれは意味を持ちません。


「サンダースピアー!」


 まるで地面から空へ雷が逆に落ちたように見えました。そしてその一撃はオークのお腹に大きな穴を空けました。

ようやくルナちゃんがヒーロー(?)できました。

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