どうやら私は実少女のようです
いやでも赤ちゃんだとしたら余計そんなぐいぐい来ちゃダメでしょう。赤ちゃんにはもっと優しくしてもらわないと困ります。
……まあ精神年齢はそれになりに高いですが。私は高校二年生の時に死んでしまったようなので16歳と少しです。
そんなことを考えている間も少年は私の口にぐいぐいと哺乳瓶を押し付けてきます。ええい、だからやめなさいと言ってるでしょうが!そんな押し込まれたら窒息してしまうでしょうが!
「お、」
あ、声が出ました。なんだ、私だってやればできるでじゃないですか。よし、このクソガキの度肝を抜いてやりましょう。
「オギャーーー!!!」
ファー!?めちゃくちゃ大泣きしてるじゃないですか、私!ほらなんか押し込まれていた哺乳瓶がゆっくり離れていきます。
ふふ、策士じゃないですか、私。赤ちゃんの立場を利用してやりましたよ。
「オギャーー!!ギャーーー!!!」
うわわ、泣き止みませんよ、私!どうしたらいいんですか!?ものすごい精神が揺れています(?)。自分でも止められません。泣き止もうとしても止まりません。どんどん涙と大声が私の中から出ていきます。
「%&$&&#$~。%&$&&#$~。」
半分自分でもパニックになっていると、私の体が上下に優しく揺れ始めました。それにつられるように私の精神も落ち着いてきて、何とか大荒れした感情と涙を収めることができました。
ふう、ここまで大泣きしたのは本当に久しぶりですね。というかそもそも泣いたことなんて物心ついてからないような気もします。
「&%$#%$$%~。」
そしてまた私を抱えた女性が歌いながら私の口元に哺乳瓶を持ってきます。それに少しためらいながらもそれを手で支えながら口に含みます。そしてゆっくりと吸うと口に甘い風味が広がります。でも少し暖かいか冷たいともっとよかったですね。少しぬるいです。
……あれ?もしかして私を持っているこの女性が私のお母さんだったりします?
「#&$%&#%!」
私が飲んでいるのがうれしいのか、少し興奮したような声が聞こえてきます。まあ、こんなことで喜んでくれるならいくらでもしますが……。
パシャッ!
ん?今シャッターを切った音がしたような。まあ、それよりもまずは全部飲んじゃいましょうか。どうやら思った以上にお腹が空いていたようですし。飲む勢いが止まりません。
んくっ、んくっ、んくっ。ぷはー!
うぃー、よく飲みました。お腹いっぱいです。量はそこまで多くなかったはずですが、そもそも私の体も小さいのでちょうどよかったのでしょう。……少し眠くなってきましたね。
満足した私が手にしていた哺乳瓶を離すと、私を抱えているお母さんだと思われる女性がそれを回収していきます。その代わりになにか紙のようなものを渡されました。
そこには一人の女性と一人の赤ちゃんが映っています。その女性は緑色の髪と瞳をしていて、その髪から覗く耳はまっすぐとがっています。そしてその女性に抱えられいる赤ちゃんは……。わあ、かわいい。白い髪がうっすらと生えていて、赤い瞳を満足げに細めながら哺乳瓶を抱えています。そして必死に哺乳瓶を吸っているその様は文字通り愛らしく、見ているだけで頬が緩みそうです。
……おや?緑色の髪と瞳の女性?それって見覚えがありますね。え?そうですよね?それって私のお母さんかもしれない今私を抱えている女性のことですよね。
あらら、ていうことはこの抱えられている赤ちゃんって私ですよね。
……めちゃくちゃかわいいじゃないですか、私。これは美少女確定ですよ、私。しっかり耳もまっすぐとがっていますし。となると私はエルフなんでしょうかね。
人生勝ち組じゃないですか、私。
私の目が写真にくぎ付けになっている間に私を抱えた女性が動き始めました。どこに行くのかと思っていたら、最初にいた部屋に着きました。
そこには私が入っていたであろう揺りかごと子供用のベットが置かれていて、それを整えているメイド服を着た女性が一人いました。私達の気配に気づいたその女性がゆっくりと立ち上がってこちらに近づいてきます。
「%$&。%$%$#%$&?」
「##。%&$<>#%”。」
お母さん(?)がそのクリーム色の髪をしたメイドの女性と小さい声で言葉少なにやり取りをすると、私をそのメイドの女性に預けて部屋から出ていってしまいました。
そのメイドの女性は私を優しく持ち上げると、揺りかごの中にゆっくりと寝かせてくれました。でもどうしてでしょうかね?まだ眠くはないはずなんですが。……うん?なんか視界が狭くなってきているような。
……ああ、あんなに思いっきり泣いてしまいましたもんね。なけなしの体力を全部使い果たしたっていうことですか。
ではおとなしく今日は眠るとしましょうかね……。




