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入れはしないんですね、これが……

「すいません、ボーっとしてました。」


 本当になぜかそこに目が奪われたんです。理由は分かりません。既視感とかではなく、おそらく本能的な何かです。でもそこからは悪いイメージは感じなくて。なんというんでしょう、こちらに来いと招かれているような。


「いえ、大丈夫ですよ。ここは見ての通りそこまで人気ではないので、冒険者の方も警備の兵士さんもいませんから。ただ、ここで時間を使いすぎると他のダンジョンに行けなくかもしれませんね。何せまだ二つ目なので。」

「そうでした。では次の所をお願いしていもいいでしょうか?」

「はい、分かりました。次は魔都から見て南のダンジョンに行きましょう。」


 まだここにいてこの光景を眺めていたいという衝動を抑えて次のダンジョンに向かうことにしました。でも、本当に不思議です。私以外にあそこから何かを感じた人はいないんでしょうか……?



「では南のダンジョンですね。このダンジョンが一番初心者向けと言われていますね。現に最も攻略したことがある冒険者が多いです。このダンジョンの名前はスライムの養場といいます。なので魔物はスライムしか出てきません。まあ上位種も出てきますが、それでもスライムなのでそこまで強くありません。全2階層で、1階層と2階層にボスが存在します。まあどちらもスライムですが。……このダンジョンの情報はここまでにしておきますね。きっと初めて入るダンジョンはここでしょうから、自分で考えながらやってみてください。」


 ふむふむ、一番初心者向けですか。ならしょうがないですね。逆張りなどはしないでおとなしくこのダンジョンから行きますか。でも、スライムですかー。


 ……いい思い出がないですね。唯一攻撃を食らった魔物ですし。実質雷属性魔法の使用は禁止されているようなものなんですね。氷属性魔法と雷属性魔法が一番すきなんですが、私……。


 そんなこと考えている間に着きましたよ。初心者ダンジョン、スライムの養場に。……ここは確かににぎやかですね。小さいですが露店もいくつかありますよ。ポーションという魔法薬を売っているそうです。これは体力や魔力を回復させる効果があるそうで。へぇー、便利ですね。前世の世界にあったらきっと医療は発達しなくなるでしょうね。


 で、露店があるっていうことはそれなりにたくさん人がいるっていうことでもあって。どうやら、このダンジョンに入るのには順番待ちが必要なようです。そこらへんにいる冒険者たちは番号が書かれた木の札のようなものを持っています。

 ん?30という数字が見えたような。……一気に行きたくなくなりましたね。どんだけ待ってんですか。


「普段はこんなに混んでいないんですけどね。今日は一週間に一度のダンジョンに入れる日だということでこんなにたくさんの人がいるんですね。」

「……?どういうことですか?」

「このダンジョンは先ほど説明した通り、初心者向けのダンジョンなんですよ。ですから初めてダンジョンに入るという冒険者が一番多いんです。そしてそれは事故死が多いことにつながってしまうんです。いくらスライムでも、不意を突かれたら危ないですからね。

 なのでその対策として、初心者のパーティーを40組、熟練者のパーティーを10組このダンジョンに同時に入れることでその事故を少しでも減らそうということなんですよ。

 で、初心者のパーティーにとって初めてのダンジョン攻略となると時間がかかりますが、長時間ダンジョンにいすぎても危険なので5日で攻略する、もしくは出てくることが事前に約束させられています。もし、その期間内に出てくることができなかった場合、一緒に入った熟練者のパーティーが外に連れ出します。当然それだけでなく、攻略中に危険な場面があったら助けに入ることもありますがね。」


 なるほど、実力主義だと思っていましたが結構優しいんですね。結構手厚い保護してるじゃないですか。


「……で、この中かき分けてダンジョン見に行きます?」

「……やめておきましょう。」


 そして私達は人混みにギブアップして撤退することにしました。



「では最後、東にあるダンジョンです。ここはありていに言えば上級者向けのダンジョンですね。Aランクに近い実力がないと攻略できないですね。名前は竜の爪痕と言います。まあ、ここの情報はいづれ話しましょうか。きっと行くことになるのはずっと先のことになるでしょうし。」


 その東にあるダンジョンの入り口に来たわけですが、その名前通りに爪でひっかいた痕のような紋様がダンジョンの壁にも入り口にも至る所にあります。

 ……中からは不気味さを感じさせる冷たい風が吹いています。うおー、鳥肌が立ちそうですよ。


「ではそろそろ帰りましょうか。日も暮れそうです。」


 そうソフィアさんに言われて周囲が少し暗くなってきているのに気づきました。おお、もうそんな時間なんですか。ちなみに途中から数えていませんでしたが魔物は結構倒しました。多分20体くらい?

 あと各ダンジョンの距離が微妙に遠かったです。明日は筋肉痛ですね。


「ああ、月がきれいですね。そろそろ満月でしょうかね。」

「そうですねー。」


 ……なんか告白みたいですね。少しドキッとしちゃいましたよ。

 ……?心臓が一回大きく鼓動したような。もしかして本当にドキッとしちゃったんですかね、私?

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