ぶらりダンジョン徘徊の依頼
さあ、ではソフィアさんについていきましょう。でも、当のソフィアさんは歩き始めて数歩の所で爆弾発言をしてきました。
「では私はただお散歩をするだけですので、ためになるかわからない話をしていきますね。なので聞き流すもあり、しっかり聞くのもありです。ですが、私がこの剣を抜いたらその時依頼を失敗としますのでお忘れなく。」
マジですか。そんなの話に集中しちゃうじゃないですか。でもそうしたら依頼は失敗してしまいます。でも、話はやっぱり気になります。……うー、どうしましょう。
「今日行くところはこの魔都の近くにあるダンジョンの近くです。いずれ行くことになるでしょうから今のうちに覚えてしまいましょう。」
お!?ダンジョンですか!?いいですね。なんかザ・異世界って感じがします。
「まず、魔王城から見て冒険者ギルド本部の方向にあるダンジョンです。これから向かう所ですね。魔都の近くには4つのダンジョンがありますが、その中で最大の規模を誇るダンジョンです。北の方にあるので北のダンジョンと呼ばれることが多いですが、正式名称もあります。トカゲの鍛冶場というものです。というのもこのダンジョンではトカゲの魔物が多く存在していて、5つある階層のすべてのボスが火属性のトカゲの魔物が出てくるんですよね。しかも階層が深くなるごとにボス部屋の温度も上がっていくんですよ。最下層になると中にいるだけできついです。だからこのダンジョンを攻略できるパーティーは少ないんですよね。」
へぇー、そうなんですねぇ。……あ、なんか反応がありました。しかも進行方向ですよ。せっかく話の途中なのに。
「ちなみにダンジョンの中はルールが違います。ダンジョンの中では魔物はいくつかの素材やアイテムだけを残して消えてしまいます。なのでダンジョン内での依頼の場合はそれらをいくつ集めてきてくれっていうのが主流です。お肉などの食材も結構手に入りますので、これらを集めてくれっていうお店からの依頼が多いです。」
ソフィアさんはそれに気づいているのか気づいてないのか分かりませんが、話を止める気配がありません。まあそういう依頼ですもんね。では、さっさと倒しちゃいましょうか。
「……サンダーボール。」
話を遮るように私はサンダーボールを放ちました。まだ、その魔物の姿は見えていませんでしたが確実にこちらに近づいていることはマナ・エコーを連続で発動させることで分かりましたから。
そしてマナ・エコーで反応があった方向めがけて雷の玉が飛んでいきます。
「え?突然どうしたんですか?」
「いえ、魔物の反応があったので、そちらめがけて魔法を撃ってみました。」
「え?反応、ですか?」
「はい、とりあえず行ってみましょう。」
反応があった場所に向かうと、そこにははぐれゴブリンが倒れていました。
「どうでしょう?」
少々自慢げにそういうと、ソフィアさんは後ろで難しい顔をしていました。
「いえ、魔法は素晴らしかったんですが、……もしかしてマナ・エコーで判断しました?」
「そうですけど、ダメでした?」
これはダメなんでしょうか?結構これを頼りにしていたんですが。
「ダメ、というよりは周囲の情報を探るために使うのはありですが、それで攻撃までしてしまうのはダメですね。それが魔物だといいですけど、もし冒険者だったらどうします?まあ、まだ冒険者同士だったら何とかなるかもしれませんが、一般の人に当たってしまったら最悪です。」
……なるほど、確かにそれはありますね。これまで動物に反応することはありましたが、冒険者に遭遇することがなかったので全く考えていませんでした。これからは気を付けますか。
「と、その前に先ほど使っていたサンダーボールを昨日のスライムにも放ったっていうことでよろしいですか?」
「え、そうですけど。」
「そうですか……。」
今度は何でしょうか。これも何かダメでしたかね?
「いえ、別にルナさんが悪いというわけでは無いんです。ええ、こちらの話ですので、忘れて下さい。」
「はぁ、分かりました。」
でも詮索したくなっちゃいますね、何か起こるんでしょうか?まあ私はどうせ関係ないでしょうけど。
「では、討伐部位を回収したら行きましょうか。」
あっ。すっかり忘れてました。
ゴブリンの討伐部位を回収してトカゲの鍛冶場というダンジョンに足を進めます。その途中でソフィアさんから便利なアイテムのことを聞きました。
「いいですか、武器や防具をそろえた後はまずアイテム袋を買ってください。これはとても便利です。見た目は腰に下げられる程度の袋ですが、その中にはたくさんのものが入ります。高価なものほどたくさん容量がありますが、安価な物でも十分です。それがあるだけで身軽に動けますし、魔物を討伐した時にその死体を持ち帰ることができます。それをギルドに売ればものによっては結構な値段になります。」
……すごい早口でしたね。そんなにアイテム袋をお勧めしてくれるなら一番最初に買うのはそれにしましょうか。




