おやおや、お久しぶりです。
皆さんはこれを知っているのでしょうか?この文字化けしている文言は本当によくわからないですね。「★★★★★に干渉し、★★★との交渉権を得る。」とはいったい何でしょう?交渉権ということは後半には誰か人名が入りそうですが、前半は想像がつかないですね。何かに干渉?うーん?
「ふぉっふぉっふぉ。それは儂が教えてやろうかの。」
あっ、めちゃくちゃ久しぶりに出ましたね、神様!場所もギルド長室から最初に会った、ただただ白いだけの空間に変わっています。
「おお、元気そうじゃな。そちらの世界は楽しいかの?」
まあ、そうですね。毎日がすごい楽しいです。最初こそ誰かと一緒にいることに慣れずに大変でしたが、最近は誰かと一緒にいることが普通に安心します。まあ変わらず読書も好きなんですが。
「おお!それはよかったの。この世界は儂が最初に作った世界での、結構愛着があるのじゃよ。じゃから、お主にも気に入ってもらえてうれしいの。」
おや、そうなんですか。地球よりもこちらの方が先に作られてたんですか。
「そうじゃよ?儂ら神の中ではな、人が魔法を使えるような世界を作るのが最初にすることなんじゃよ。なにせ魔法は儂らが扱う奇跡と似通っておるからな。それなりに作りやすいのじゃよ。」
へぇー、神様以外にも神様っているんですねぇ。
「そうじゃの、儂は神は神でもモノを作ることに特化した創造神じゃ。それ以外にも当然、戦いに特化した戦神もおるし、魔法に特化した魔法神もおる。これらの神が何人かのグループになってな、いくつかの世界を共同で管理しておるのじゃ。」
なーるほど、確かに神とはいえ一人で管理するには大変そうですもんね。今目の前にいる神様にはそこまで戦える能力がなさそうですもんね。
「ふぉっふぉっふぉ。その通りじゃ。儂は神の中では戦闘力など皆無に等しいからの。
さて、まだまだ喋りたいこともあるがの、今はそこまで時間がないのじゃ。じゃから要件をしっかりと話しておこうかの。」
要件……?ああ、そうでした。賢者の称号の文字化けについて教えてもらえるとのことでしたね。
「そうじゃ。その部分を今から説明してやろうかの。その文字化け部分を全文読むとじゃな、『神々の奇跡に干渉し、創造神との交渉権を得る。』となるんじゃ。」
はぁ?神々の奇跡に干渉?それに創造神との交渉権?どういうことかさっぱりわかりませんが……。
「まず前半からだの。『神々の奇跡に干渉』とは、文字通り神々の奇跡を扱える可能性があるということじゃ。」
神々の奇跡、ですか……?うーん、言葉から何となくイメージはできますが……。
「とはいえ、神々の奇跡とは何かわからんじゃろう?そのための後半じゃよ。『創造神との交渉権を得る。』とは簡単に言うと神々の奇跡について儂が教えるために、儂と直接話せる機会を設けるということじゃ。」
それ以外にもこの世界の感想を聞きたいというのもあるんじゃがな。と微笑みながら神様は続けました。
なるほど、確かに神々の奇跡を扱えるようになってもその内容を知らなければ行使できませんからね。でも、どうしてそんなものを与えるんでしょう?悪意ある人がそれを行使したらこの世界にとって逆に害悪になるのではないでしょうか?
「……いやー、実はな。お主に頼みたいことがあってな。この世界の刺激なってほしいのじゃよ。」
……刺激、ですか?
「そうじゃ。簡単に言うと世界最大にして最高難易度のダンジョン、“神々の原罪”に挑んでほしいのじゃ。」
まあ別に今の生活が続くならば、特にやりたいことなどなかったので構いませんが。でも、それが刺激になるんですかね?
「まあ、簡単に言うとこの世界には娯楽が少ないじゃろう?じゃから人は戦争中は戦争の状況や、終戦後は囚人同士の殺し合いといった血を流すことが娯楽になっておるのじゃ。」
あー、まあ確かにここが中世レベルの文明レベルですとそうなりますよね。しっかり私は楽しんでいますが。
「お主からしたら魔法は目新しいからの。じゃが、この世界の住民からしたら魔法は別に特別なことではないのじゃ。」
確かに当然と思っていることに興味を抱けるのは一部でしょうね。それこそ学者や研究者のような人たちだけでしょう。
「じゃからお主には世界の皆が楽しめるような刺激になってほしいのじゃ。世界中の皆が攻略不可能と考えられておるダンジョンを攻略するとなれば、娯楽に飢えておる皆はそこに熱中するはずじゃ。まあこれまでもランクの高い冒険者の冒険譚などはそれなりに有名じゃったが、それもその冒険者の出生地と活動領域に限られたからの。」
なるほど。つまり私に全世界の注目の的になれと言いたいわけですか。
「ダメかの?」
んー。ちょっと待ってくださいね。考えをまとめるので。




