48話
「それじゃあ、空から見てみるから、アルもティアもしっかり掴まっていてくれ。」
「「はい(なの)!!」」
俺は、天歩を使い、空高く登っていく。
ある程度登ると結界魔法を使い、足場を作り出す。
登っている間、アルたちは、おおはしゃぎだった。
「高いの高いの!!」
「本当に高いですね。私も、こんなに高く飛んだの初めてです。」
そんな声を、左右で聞きながら俺は、周りの確認をする。広さは大体予想通り。
「ちょっと、移動するから、また掴まっててな。」
「「はい(なの)!!」」
2人が掴まったのを確認した後、天歩、瞬動術を使い、森の端の方へむかう。端にはすぐに、たどり着いた。そこは、
「何もないの? 真っ白なの!!」
「本当ですね… 真っ白ですね。」
2人が言った通り、そこは、何もない真っ白なの空間だった。その白い空間を触ってみると、それは白い壁みたいな感じだ。
「これって何なんですか、コウさん?」
気になっのか、ティアが聞いてきた。
「そうだなぁ… 簡単に言うと、何もない空間かな?」
「何もない空間ですか?」
「より正確に言えば、この先は、まだ出来てないんだ。」
「出来てないですか?」
「そう。この世界は、俺が創ったのはもう言ったよな?」
「はい、聞きました。」
「だけど、この世界を創る時のMPが本当にギリギリだったから、不完全に出来上がったんだよ。あぁ、かといって、住む分には問題ないし、今後MPを込めていけば、この白い空間も広くなって、完全な世界になる予定だ。」
「…コウさんって、もう完全に、神様みたいですね。世界とか創ってますし…」
「はははは… ソンナコトナイヨ…」
苦笑いのまま、自分でも分かるくらいの片言になっていた。
「コウさん、何だか言葉遣いへんですよ?」
「…気のせいだよ、ティア。それよりも、確認は終わったし、そろそろ帰るぞ。」
「「はい(なの)!!」」
扉の所まで戻り、扉を潜りレーヌさんの待つ元の世界に戻る。
◇
扉を潜った先には、レーヌさんが待っていた。
「ただいま、戻りました。」
「帰ったの!!」
「ただいま、お母様!!」
「お帰りなさい。」
その後は、夕食をとりつつむこうの世界について話し合い、明日妖精族が移り住むことが、決定した。アルとティアが、話の途中で寝たのは言うまでもない。
~次の日~
朝早くから、妖精族の大移動が始まった。
移動するのは、妖精族だけでなく、昆虫や動物、魚など生物の移動も一緒に行った。むこうの世界は、本当に森しかないからだ。
「本当に、何から何までありがとうございました、コウさん。」
「ありがとうございました!!」
レーヌさんとティアがむこうの世界に行く前に挨拶をする。
俺は、レーヌさんと目配せをする。昨日の夜に、レーヌさんから頼まれた事があるからだ。レーヌさんは、頷きティアに話しかける。
「ティア。」
「何、お母様?」
「貴方は、どうしたい?」
「…どういう事、お母様?」
「そのまんまの意味よ。貴方本当は、コウさんたちについて行きたいんじゃないの?」
「そ… それは…」
ティアは、口ごもる。
「ティア、俺たちは君に一緒に来て欲しい。なぁ、アル?」
「そうなの!! ティア、一緒に行くの!!」
「わ… 私がついて行ってもいいんですか?」
「あぁ。」 「はいなの!!」
「お… お母様私… コウさん達に、ついて行きたいです!!」
「行ってきなさい。コウさん娘をお願いします。」
「お願いします!!」
レーヌさんとティアは、深く深く頭を下げる。
「これから、宜しくなティア。」
「宜しくなの!!」
「はい、宜しくお願いします!!」
こうして、新しい仲間が増えた。




