45話
「トレ、こっちに来てくれ!!」
「はい…」
狼の処理を終えて待機していたトレを呼ぶ。
「何でしょう…」
「こいつらを連れて、ドヴァーってやつを牽制してこい。」
俺は、考えておいた作戦(作戦とまでは、呼べないけど)を伝える。
「分かりました…」
「お前らは、こいつについていけ。」
「ブモゥ」「バウッ」「グギャ」
トレはそのまま、死役獣たちを引き連れて行った。
それと同時に、2つの反応がこっちにむかって来ていた。少し待っていると、2人が森から抜け出した。
「コウ、置いていくなんてひどいの!!」
「コウさん、おはようございます!!」
「おはよう、アル、ティア。悪いな、気持ち良さそうに寝てたから、起こすのが忍びなくてな…」
アルとついでに、ティアを頭を撫でてやりながらそう答える。
「なら、許すの!!」
「ありがとな、アル。」
「そ… それにしても、コウさんは、こんな所で、何をされていたんですか?」
「ん、まぁ、なんだ… 少し用事があってな。」
「そうだったんでんですね。」
「それよりも、ここにくる途中に、モンスターに襲われたりしなかったか?」
見た感じ、怪我とかはしてなさそうだが、心配になったので、聞いてみる。
「ティアから、魔法貰って、敵さんは、ボコボコにしてやったの!!」
力強くそう答える。まぁ、ある程度は、予想していた。
「そうなのか、ティア?」
「はい。アルさんが、来る敵来る敵倒してくれたので、私は魔法をアルさんに渡すだけでしたね。」
「頑張ったなアル。それに、ティアもありがとな。」
「い… いえ。」
「コウの用事は、終わったの?」
「用事? あぁ、終わった終わった。今から帰る所だから、一緒に帰ろうか?」
「はいなの!!」 「分かりました。」
2人の手をとり、空間魔法を使い、棲み処に戻った。
◇
戻った後、
「なぁ、ティア。」
「何でしょうか?」
「レーヌさんに話があるんだけど、今どこにいるか分かるか?」
「お母様ですか? そうですね… たぶん、戻ってきた事に、気づいたと思うので、そろそろ…」
「皆さん、帰って来てのですね。」
「はい、今帰ってきました。それで、レーヌさんにお話… 「コウ、お腹へったの…」 …分かった。今から準備するから、待っててな。」
「はいなの!!」
「と、言うこと何で、ご飯の後に、話があるのでお時間頂いても良いですか?」
「分かりました。」
その後は、お腹から奏でる音色を聞きながら、アイテムボックスから食材を取り出し、朝御飯の準備をし、アルとティアそれに、レーヌさんの4人で食べ始める。
「ごちそうさまなの!! お腹一杯なの!!」
「それは、良かった。なら、俺はレーヌさんと話があるから、ティアと一緒に遊んでおいで?」
「はいなの!! ティア行くの!!」
「ちょっと待って下さいよ、アルさん!!」
2人が、離れたのを確認してから、レーヌさんに話を切り出す。




