39話
机もどきの上には、グリンアプルの小山が出来あがっていた。
「このグリンアプルは、全部貰ってもいいのか?」
出来あがった、グリンアプルの小山をみながら、ティアに聞いてみる。
「はい、貰って下さい!!」
「分かった。それじゃあ、ありがたく貰うな。」
突進猪で、お腹は膨れている為、俺は、グリンアプルの小山をアイテムボックスに入れる事にした。入れ終えた時に、レーヌさんもこっちにやって来た。
「遅れてしまって、すみません。」
「全然、大丈夫ですよ。それより、あれは、何ですか?」
レーヌさんの後ろには、何人もの妖精たちが、何か液体のような物が入っている大きな葉っぱを慎重に持ってこちらにむかって来ていた。それが、気になったので、聞いてみた。
「あれは、コウさんに飲んで貰うために、先ほど作った、妖精酒です。」
「ようせいしゅ… 妖精酒? お酒の事ですか?」
「はい、そうです。」
持ってきてくれた葉っぱを見てみると、結構な量が入っていた。移せる容器がないかアイテムボックスを確認してみると、丁度よさげな容器があったので、それを何個か取り出す。
「これに、移しても大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫ですよ。」
レーヌさんの許可も得たので、妖精たちの手も借りながら、取り出した容器に全て移した。味が気になったので、早速飲んでいいか聞いてみる。
「飲んでみても、いいですか?」
「はい、どうぞ。お口に合えばいいのですが?」
一緒に取り出しておいた紙コップに注ぎ飲んでみる。
ゴクッゴクッゴクッ
「どうですか?」
レーヌさんは、少し心配そうな顔で聞いてくる。
「とても、美味しいです!!」
嘘偽りなく、正直に答える。
「それは、良かったです。」
レーヌさんは、安堵の表情を浮かべる。
それにしても、この妖精酒は、度数は少し高く感じるが、ほんのり甘く飲み口がすっきりしておりとても飲みやすかった。
まだ、残っていた突進猪の肉をつまみに妖精酒を飲んでレーヌさんたちと話をした。食べ終えたときには、日は完全に暮れており、アルやティアは、既に、夢の中だった。手早く、後片付けなんかを済ませる。以外にも、生活魔法の清潔が、物にも使えたので、後片付けはすぐに終わった。
「それじゃあ、休ませて頂きます。すみませんが、後はお願いします。」
「はい、任せて下さい。」
俺たちが休んでいる際は、妖精族が番をしてくれるとの事で、お言葉に甘える事にした。
俺は、昼間も使った、チェアを取り出しアルとついでにアルと一緒に寝ていたティアを抱えて、チェアに腰かけ、布団をかける。
俺も、そのまま寝ようかと思ったが、何故か逆に目が冴えており、眠れなかった。だから、今後の事について、考える事にした。




