35話
コウさんが、アルさんと一緒に跳んでいってしまった。
「お母様!! 私も、コウさんと一緒に行ってきます!!」
私も、急いでコウさんたちを追おうとすると、
「待ちなさいティア!!」
「…何ですか、お母様?」
「ティア… 貴女は本当に、行くのですか?」
「行きます!!」
「…分かりました。なら、もう止めはしません。ティア、気を付けて。」
「はい!! 行ってきます!!」
私は、妖精結界の外側に出て、コウさんたちの後を追った。
◇
魔族が腕を振りおろすと、同時に、魔法陣が現れ、灰色狼が数十匹現れ、襲って来た。
たぶん、召喚魔法を使ったのだろう。数が多い為、俺は、大剣から2本の刀型に作り直し、来る敵来る敵斬り伏せていく。
『二刀流を覚えました』
スキルが覚えると、両手の刀の振りがより鋭くなった感じがする。途中から、アルも手伝ってくれた為、すぐに、片がついた。
「火槍!!」
魔族が、俺たちめがけて、火の槍を飛ばしてきた。
一瞬、魔法剣で対処しようとしたが、魔法剣を消す。消したと同時に、
「伏せて下さい!!」
後ろから、声がする。俺は、言葉通り、アルの頭を下げながら、俺も伏せる。
「水槍!!」
水の槍は、俺たちに迫ってきていた火の槍とぶつかりあい消える。
「な!!」
驚いている魔族のもとに、俺は瞬動術で近寄り首を持ち上げる。腕を振り払おうと暴れる魔族の目をみながら、催眠眼と魅了眼を同時発動する。目がトロンッとなったのを確認して、俺は手を離す。
「おっと!!」
アルが、俺に抱きついてくる。
「アル、頑張ったの!!」
「あぁ、見てたぞアル。よくやったな!!」
アルの頭を撫でてやると、嬉しそうに、更に頭を押し付けてくる。
「それにしても、ティアは来ても良かったのか?」
アルと一緒に俺のもとまで来ていたティアに尋ねる。
「一応、お母様に来ることは伝えてますが、もしかしてお邪魔でしたか…」
「いや、助かったよ、ティア。ありがとうな。」
そう言いながら、アルを撫でてる逆の手で、ティアの頭を撫でてやる。
「お… お役に立てたのなら良かったです…」
2人を撫で終えた後、魔族にこの前、聞きそびれた話を聞く。
「それで、お前は、ドヴァーって魔王の配下で間違いないな?」
「はい…」
「それで、妖精族を配下にするのは、魔族同士の戦争のためだったな?」
「はい…」
「その魔王は、どの魔族と戦争するんだ?」
「魔王・アジン様です…」
「魔王? 魔王は2人もいるのか?」
「いえ、魔王様は、魔王・アジン様、魔王・ドヴァー様、魔王トゥリー様、魔王・チィトゥィリ様の4人です…」
「この世界には、そんなに魔王がいるのか?」
「はい… 正確には、4人の魔王様に、更にその上、我ら魔族の国、魔帝国を納める魔王帝・リーツァ様がいます…」
どうやら、この世界は、魔王だけではないらしい。




