34話
アルは、鎧から足鎧に変化させてから、緑小鬼や灰色狼にむかって行ってくれた。アルは、次々とモンスターたちを倒してくれる。
俺は、その間に、後ろに控えているモンスターに鑑定眼を使う。
名前:ー 種族:牛男 性別:♂️
ランク:3 LV:35 HP:400 MP:30
STR(力):400+15 DEX(器用):180 DEF(防御):250
AGI(敏捷):180 INT(知力):60 MND(精神):30
LUK(運):15 CHA(魅力):20
スキル:身体強化Ⅲ 斧術Ⅲ 腕力強化Ⅱ 怪力Ⅱ
称号:トレの獣魔
見たまんま、牛男か。スキルなんかも、STR(力)よりで完全にパワータイプだな。確認を終えると同時に、アルの強さに驚いた魔族が、牛男をけしかける。
「!? お前も行け!!」
「ブモォォォォォォォ!!」
牛男は、緑小鬼を倒している最中のアルに斧を振り下ろそうとしている。
俺は、魔法剣を生成し、すぐ瞬動術を使い、牛男の前に移動する。
「お前の相手は、俺だぞ。」
牛男が振り下ろす斧を魔法剣で受け止めようとしたが、何か嫌な予感がした為、魔法剣を手放し、アルを抱き抱え後ろへ下がる。
ゴォォォォォン
振り下ろした斧で、地面が陥没し、手放した魔法剣も真っ二つになっていた。あのまま受けていたら、結構危なかっただろう。
『危険察知スキルを覚えました』
「危なかったな… アルは、大丈夫か?」
「大丈夫なの!! ありがとうなの!!」
抱き抱えていた、アルをおろす。
「残りも、殺ってくるの!!」
「気を付けてな。」
「はいなの!!」
アルは、次の敵にむかって行った。
「何をやっている!! 早く殺れ!! 獣魔強化!!」
そう、魔族が叫ぶと、牛男の身体が、少し光だし今度は、まっすぐ俺にむかって来た。先程よりも、腕の筋肉が膨張しており、そのままの斧を振り下ろしてくる。俺は、魔法剣を生成せず、そのまま振り下ろされた斧を片手で掴み、受け止める。
「ブモォ?」
「何をしている!! 劣等種をやったなら、次は獣のガキを殺れ!!」
魔族からは、丁度牛男の体で隠れていて俺の姿が見えていないから、どうやら、俺が死んでいると思っているらしい。
「ブモォブモォ!!」
牛男は、力を込めたり、斧を引いたりする。
俺は、大剣型の魔法剣を生成し、一刀で牛男を斬り伏せる。
「な!!」
牛男が、真っ二つになった為、俺の姿を確認した魔族が驚く。
「な… 何故、貴様生きている!!」
「簡単なことだ。俺が牛男より、強いからだよ。」
「くそ!! 出てこい!!」
魔族が腕を振りおろすと、同時に、魔法陣が現れ、灰色狼が数十匹現れ、襲って来た。




