30話
コウさんたちと別れた後、私は、妖精の棲み処に戻ってきた。私は、すぐにお母様のもとへむかった。
お母様は、相も変わらず、辛そうな顔をされていた。
「お母様!!」
私は、お母様のもとへ近寄った瞬間、頬に衝撃をうけた。衝撃をうけた頬は、次第に熱を持ち、ジワジワ痛みがやってくる。そこで、私は頬を叩かれた事に気づいた。だけど、私は、それ程の行動をしたのだと謝ろうとしたら、今度は、身体全体を包み込まれ、お母様の温かさを感じる。
「良く帰ってきたわね… このバカ娘。」
「お母様…」
「あれ程、結界の外には、出てはダメだと言ったでしょ…」
「ご… ごめんな゛ざい…」
涙が溢れてくる。
お母様は、より強く私を抱き締めてくれた。
少しの間、抱き締めてくれた後、私が落ち着いたのを察したのか、力を弱めてくれる。
「でも、良かったわ、怪我はないみたいね… 魔族には、会わなかったようね…」
「そ… それが、違うんです…」
「…どういう事? ま… まさか魔族に会ったの!!」
「はい…」
「ティア、それはいった… うっ!!」
「大丈夫ですか、お母様!!」
お母様が、倒れそうになる。
「だ… 大丈夫よ。それより、さっきのは、どういう事?」
「それは…」
そこから、私は、起こった事を話し始める。少しして、話し終わる。
「無茶な事ばっかりして…」
「ごめんなさい…」
「もういいわ… 話は分かったわ。それで、その人の子は、今どこにいるの?」
「結界の外で待ってます。」
「…分かったわ。私も、一度会わせて貰ってもいい?」
「…大丈夫だと思います。」
「なら、連れていって貰ってもいい?」
「はい。こっちです!!」
私は、お母様を連れて、コウたちのもとへ戻った。
◇
「お母様!!」
飛び出していった、娘が戻って来てくれた。私は、気づけば、娘の頬を叩き、すぐ娘を抱き締めていた。
「良く帰ってきたわね… このバカ娘。」
「お母様…」
「あれ程、結界の外には、出てはダメだと言ったでしょ…」
「ご… ごめんな゛ざい…」
娘が、泣き出す。私は、より強く娘を抱き締めた。
少しして、落ち着いたようなので、力を弱める。
「でも、良かったわ、怪我はないみたいね… 魔族には、会わなかったようね…」
「そ… それが、違うんです…」
「…どういう事? ま… まさか魔族に会ったの!!」
「はい…」
「ティア、それはいった… うっ!!」
疲れのせいか、一瞬身体の力が、ぬける。
「大丈夫ですか、お母様!!」
「だ… 大丈夫よ。それより、さっきのは、どういう事?」
「それは…」
娘から、結界から出た後の事を聞いた。
「無茶な事ばっかりして…」
「ごめんなさい…」
「もういいわ… 話は分かったわ。それで、その人の子は、今どこにいるの?」
「結界の外で待ってます。」
「…分かったわ。私も、一度会わせて貰ってもいい?」
「…大丈夫だと思います。」
「なら、連れていって貰ってもいい?」
「はい。こっちです!!」
私は、娘に連れられ、話に聞いた男の人のもとへむかった。
着いた先には、獣人の子供と信じられない程高い魔力を持った何かがそこにいた。




