20話
スキルボードを閉じる。今の俺のステータスで、どれくらい通用するのか、検討もつかない。だけど、シュテルさんのいってくれた通り、好きに生きていくつもりだ。何をしようかと、考えていると、
「あっ!!」
今まで、俺の胸でスリスリしていたアルが声をあげる。
「どうしたアル?」
「もう一つ、手紙があったの!!」
そう言って、もう一つ手紙を出す。
受け取ってから、中身を見てみる。
"伝え忘れてだけど、地球での使えそうな私物と本来貰えるはずだったお金なんかをその世界の通貨にして、アイテムボックスに入れてあるから、活用してね!! シュテルクストより"
読み終えた後、アイテムボックスを確認すると、確かに、地球にいた頃の俺の私物とお金… 金貨や銀貨、銅貨が入っていた。再びシュテルさんに、感謝する。感謝していると、
「どうかしたの?」
アルが見上げてくる。
「シュテルさん… 神様に感謝してたんだ。」
「アルも感謝するの!!」
「そうだな、なら一緒に感謝しような。」
「はいなの!!」
そう言って、一緒にシュテルさんに、感謝した後、
「そういえば、アルは何かやりたい事とかあるか?」
「特にないの。コウと、一緒だけでいいの!!」
「そうか… それじゃあ、俺と気ままに色々な場所を見てまわろうか?」
「行くの!!」
そうと、決まれば、アルを横にずらし、起き上がる。
「それじゃあ、行こうかアル。」
「はいなの!!」
俺たちは、適当に歩き出した。
◇
「そういえば、アルは闘えるのか?」
アルは、俺を見上げながら、
「闘えるの!! 敵さんは皆、ボコボコなの!!」
「そ… そうか。」
何気に、物騒な事を言っている。
スキルを見た感じだと、近接格闘って感じかな。
今後の事を考えて、アルの戦闘能力を見ておきたいな。
「なら、今度見せてな。」
「了解なの!!」
そんなやり取りをしながら、しばらく歩くと、森林が見えてきて、そこから何かが、飛び出してきた。
神魔眼の中の遠眼を使い、森から出てきた者を見てみる。
それは、子供ほどの身長に、汚い腰布、緑色の肌… 俗にいうゴブリンだろう。一応確認の為に、鑑定眼を同時発動する。
名前:ー 種族:緑小鬼 性別:♂️
ランク:1 LV:5 HP:20 MP:0
STR(力):15+3 DEX(器用):5 DEF(防御):10
AGI(敏捷):8 INT(知力):3 MND(精神):0
LUK(運):5 CHA(魅力):0
スキル:身体強化Ⅰ
称号:ー
やっぱり、ゴブリンだった。それが、ざっと見て、5体。
ん、よく見ると、その奥に、ゴブリンよりふた回り程大きく、手には、木で削ったこん棒のような物を持っているゴブリンもいるな。鑑定眼を使う。
名前:ー 種族:高緑小鬼 性別:♂️
ランク:2 LV:10 HP:50 MP:5
STR(力):40+5 DEX(器用):20 DEF(防御):25
AGI(敏捷):20 INT(知力):10 MND(精神):0
LUK(運):8 CHA(魅力):2
スキル:身体強化Ⅱ 斧術Ⅰ
称号:ー
緑小鬼の上位種である高緑小鬼だった。




