表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/49

16話

 私は、持てる力をフル稼働し、仕事をこなした。

 まだ、仕事は残っていたが、私がいなくても、どうにかなりそうだったので、残りを任せて、急いで新幹線に乗り、帰った。

 新幹線の中で、同僚と連絡を取り、先輩が会社に残っていない事は、確認している。

 だから、駅についた後は、タクシーを使い、そのまま先輩の自宅にむかった。


「お釣りは大丈夫です!!」


 タクシーから飛び降りた私は、先輩の部屋にたどり着き、チャイムを鳴らす。

 一度鳴らしても、誰も出てこない。

 その後も、扉を叩いたり、チャイムを何度も鳴らすも、反応はない。

 ここにはいないと判断した私は、先輩がいそうな場所を考える。

 すると、先輩が最近良くいっている、お店?が思い浮かぶ。

 何故か、私はそこにむかっていた。



 ◇



 お店についた。入り口には、"不思議屋"と看板があった。

 私は、入り口を開ける。中に店員らしき人は見当たらない。


「すみませ~ん!! 誰かいますか!!」


 奥の部屋から、とても、綺麗な女性が出てきた。


「貴方は?」


 開いた口が、塞がらない…


「・・・」


「貴方は?」


「あっすみません、私は、館花朱里たちばなあかりって言います。」


「館花さんね。それでどうかしたの?」


「つかぬこと、お伺いしますが、夢ヶ崎幸ゆめがさきこうって人知りませんか? 確か、何度かここに来たことがあると思うんですけど…」


「確かに、来てた思うけど、その人がどうかしたの?」


「その人を探していまして、ここにいるんじゃないかなぁと思ったんですけど…」


「そう… その人は貴方にとってどんな人なの?」


 突然の質問に、つまる。


「え、いや… その… 」


 顔が熱くなってくるのを感じながらも、私は、何故か正直に答えた。


「…その人は、私の好きな人です…」


 小さな声だと、自分でも思ったいたが、ちゃんと聞こえているみたいだ。


「ふふ、本当にその人の事が好きなのね。」


「はい…」


「でも、ごめんなさい、ここにはいないわ。」


「そうですか… すみませんでした… 私は、次を当たってみます。」


 そう言って、私は、お店を出た。

 この後、どうしようかなと、思いながら、出口から少し離れた所で、もう一度、先輩に電話をかけてみるが、全然反応がない。


「館花さん!!」


 !? 振り返ると、先程の綺麗な女性がいた。


「え… さっきのお店の方ですよね? どうしたんですか?」


「電話中にごめんね。」


「いえ、出なかったんで、大丈夫です。それで、どうしました?」


「貴方に聞きたい事があったから、来たの。」


「私に聞きたい事ですか? 何でしょうか?」


「貴方は、夢ヶ崎さんを探しているのよね?」


「はい、そうですけど…」


「もし、その夢ヶ崎さんが、この世界にいないとしたら、貴方はどうしますか?」


「…それはいったいどういう事ですか?」


「そんな怖い顔しないで、仮定の話よ。」


「す… すみません… 仮定の話ですか…」


「えぇ、そうよ。貴方は、それだも、その人を探すの?」


 少し考えるが、答えは最初から決まっている。


「…それでも、私は探します。」


「そう… 貴方の意思は、分かったわ。そういえば、自己紹介をしてなかったわね。私は、シュテルよ。何かあったら、いつでも頼って。」


 そう言って、シュテルさんが、手を差し出してくる。

 私は、少し躊躇いながらも、手を握る。

 すると一瞬、手が光ったような気がした。不思議に思いながらも、


「ありがとうございます。何かあったら頼らせて頂きます。」


 シュテルさんに、お礼を伝え、私は先輩がいそうな所を探しまわる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ