13話
目覚めたのは、いつもの草原。
隣には、すでに顔なじみになったウサギもいた。
「お前とも、だいぶ仲良くなった気がするな…」
手を差し出すと、ウサギは頭を擦り付けてくる。
「ウサギと呼ぶのも何だかあれだし、お前の名前ほしいか?」
言葉を理解しているのか、手から頭を離し、縦に頭をふっていた。
「そっか… 今考えるから、ちょっと待ってな…」
ボードはすでに出ているようだが、先にウサギの名前を考える。
少し考えた後、
「アルなんてどうだ?」
名前を言った瞬間、物凄い勢いで、跳び跳ねまわる。
たぶん、これ喜んでくれているんだよな…
「なら、今日からお前の名前はアルだな!!」
アルは、飛び付いてきたので、そのまま抱き締めて、頭を撫でてやる。
さて、名前も決めたんで、ボードでも確認する。
"△¢と€¢の2つを解読して下さい"
解読ねぇ… 横には、小さなホワイトボードとペンまで出てきた。
まずは、共通点を探してみる。
まずは、2つともあのカードに書いていた物…
後は、2文字目が2つとも同じって事。
俺は、アルを撫でつつ、やってきた内容を思い返してみる…
△¢の時は、確か… 拳などをつき出したんだったよな…
△¢を覚えた後は、つき出しのキレが、良くなった…
€¢の時は、確か… 木剣を振らされたんだよな…
決められた回数振った後は、振りのキレが、良くなった…
そうと、なれば… 俺は、ホワイトボードに、
"体術と剣術"
と書いた。
すると、クイズなどに正解したときのファンファーレが鳴り響き、
"言語理解(全)を覚えました"
あれ? 文字が分かる…
言語理解(全)のおかげか?と思った瞬間には、あの眠気が襲ってきた。
◇
目が覚め、スマホで時間を確認しようと電源ボタンを押すが、画面は真っ暗のままだった。帰ってから、充電するの忘れてた…
近くにあった、壁掛け時計を見てみると、13時すぎだった。
お腹も空いていたので、買っておいた、弁当を食べる。
腹ごしらえを終えた後、置いていたチケットをふと見てみると、貰ったとき読めなかった文字が読めるようになっていた。
そこには、
"異世界へのご招待チケット"
異世界へのご招待チケット? 一体どういう事だ?
少し考えてみるが、やっぱり分からないし、何故急に読めるようになったのかも、分からない。
カードも確認してみると、カードに印字されている文字も、読めるようになっていた…
俺は、カードとチケットなどを持ち、不思議屋へむかった。
◇
暗い部屋の中で、目覚めた。
横には、昨日知り合った女が寝ている。
俺は、近くに置いてあった、スマホで時間を確認する。
「もう、11時か… てっことは、あいつにもうあの話がいってるよな…」
考えるだけで、自然に笑みが溢れてくる。
「んんん… もう起きてたの…」
「あぁ、悪い起こしたか…」
「大丈夫よ… それで、今何時?」
「ん、今は11時を少しまわったところだな。」
「11時!! やば!!」
彼女は、急いで飛び起き、下着をつけだす。
「突然、どうしたんだ?」
「貴方も早く服を着て!!」
「あぁ…」
俺も、落ちていたパンツをはきだす。
丁度服を着終えると同時に、
ドンッドンッドンッドンッ
扉を叩く音が聞こえる。
「やば、もう来た…」
「だ… 誰が来たんだ…」
「聞かない方がいいわ… ただ、言えることは、服を着たなら、そこの窓から逃げ他方がいいわ…」
「ど… どういう事だよ!!」
彼女は、何も答えない。
その間も、扉を叩いている。
「モタモタしないで早く!!」
俺は、言われた通りに、窓から逃げるため、玄関に靴を取りに行く。
玄関についたとき…
「誰かそこにいるのか!!」
「ひっ!!」
声の迫力に驚く。
急いで、靴だけとって、部屋に戻る。
「お… おい、誰だよ本当に…」
「いいから、早く出ていって!!」
俺は、窓から外へ逃げる。
その時に、ふと玄関にいる人物と目があってしまう。
「誰だてめぇ!!」
怖面のスキンヘッドの男が迫ってきた。
俺は、一目散に逃げ出す。
「誰だよあいつ…」
振り返ると、スキンヘッドの男は、まだ追いかけてくる。
振りきるために、曲がり角を曲がると、行き止まりだった。
「やべぇ!!」
来た道を戻ろうとするが、スキンヘッドの男がこちらに迫ってきていて、引き返せない。
「ヤバいヤバいヤバいヤバい」
後ろには、引き返せない俺は、行き止まりの塀を越えようとした時、突然足元が光だす。光が強すぎて、腕で顔を覆ってしまう。
次第に光が落ち着き、腕をおろすと…