第60話ー2
北条さんは、あの石の出品者達にメールで聞き込み、其らしい人物を見付けた。
そしてあの石を買い付け、発送してもらう事に成った。
その翌日の夕方頃
「あの石が届いたわよ。」
と北条さんが玄関から、小さなダンボール箱を抱えて、一階の皆が集まるリビングにやって来た。
「何だに?何だに?旨い物かだに?」
とメイド服のニーニャが北条さんに寄っていく。
いやあの石だから!
「ちょっとニーニャ?アンタ北条ちゃんの話し聞いてた?」
とガラナに代わって、ガラナが文句を言った。
「そんな事より早く開けようよ!」
と紗理奈がリビングのテーブルに箱を置き、開封し始めた。
皆がテーブルを囲み、注視する中
「でもこの石が本物なら、勇太達は帰っちゃうんだよね・・・・」
と気持ちを沈ませる紗理奈・・・
「大丈夫!また戻って来るさ!だって転移して二人に会うのは2度目だからね!」
とガラナから代わって紗理奈に話した。
本当は不味いんだけど・・・
するとまたガラナに代わり
「ちょっと勇太?気持ちは解るけど、それシャレに成らないわよ?」
とガラナに突っ込まれた。
「全くだぞ!勇太よ!二人と別れる辛い気持ちは解るが、このままアルスナーダや、元いた時代を放って置くわけには行かないのだぞ?」
とブレスレットのガイバーン 。
その様子を見ていた北条さんが
「ありがとう空渡君。私も淋しいけど、でも空渡君には異世界で、未だ遣らなければ行けない事があるのよね?」
と北条さんが促すかのように、強い気持ちを込めて、話し掛けてきた。
「うん・・・・」
と俺はうつむき応えた。
「さあ開けましょう中山さん?未だ本物と決まった訳じゃないでしょ?」
と北条さん紗理奈を促す。
すると、紗理奈は小さく返事をして、箱を開封した。開封した箱の中には梱包材が詰まっていた。
紗理奈は、箱の中の梱包材を出すと、其所にはあの光る石が一つ入っていた。
「紗理奈!」
その時紗理奈はリビングを飛び出し、外へと走って行って仕舞った!
俺は急いで紗理奈を追った。
「何処に行ったんだ!」
俺は紗理奈が行きそうな場所を探し回った。井の頭公園、バイト先のメイド喫茶店兼バーの店、〇1、そして紗理奈のアパート。
居ない・・・・
メイド服のまま街を探し回ったから目立つ。
そう遠くへは行ってないはずだ。
「勇太?やっぱり思い出深い場所に居るんじゃない?」
紗理奈のアパートの前で立ち尽くしていると、この身体の持主のガラナが話し掛けて来た。
「学校か!」
「早く行こう!勇太よ!」
とブレスレットのガイバーンが促しと、俺は学校に向かってはしり出した。
L女学院の正門前
未だ開いている。
部室か?
俺は部室に向かってまた走り出した。
「紗理奈!」
部室の扉を勢いよく開け、部室内を見渡すと、其所には紗理奈は居なかった。
何処に行ったんだ・・・・
ハアハアハアハアハアハアハア
息が上りその場で立ち尽くしていると、ブレスレットのガイバーンが
「さっきチラっと、中庭に紗理奈の様な女の子を、見掛けたのだが!」
と話し掛けて来た。
俺は後ろを向き、廊下の窓越しから中庭に、紗理奈の姿を探した。
いた!あの円陣の所だ!
俺は急いで階段を駆け下り、中庭へと走った。
そして
「紗理奈!」
「勇太!」
俺は円陣の前で立ち尽くす、紗理奈に向かって呼ぶと、振り向いて紗理奈が叫んだ。
その表情は悲しげだった。
「ごめん・・・」




