プロローグ
「死にやがれぇ~」
それが、俺の人生で最後に聞いた言葉…
順風満帆な人生とまではいかないが、これまで良く生きた方だと思う。
綺麗な嫁さんとはお世辞にも言えない、いたって普通な妻と結婚して、二人の子宝にも恵まれた。
子供達も、立派に成人してこれから残りの人生を謳歌する予定だったと言うのに…
運悪くも、お金を卸しに行った銀行で強盗に出会い、陳腐な正義感から強盗を諌めようとした結果が今の現状…
いわゆる蜂の巣と言うところだろう…
俺の説得は届く事もなく、逆上した犯人に銃を乱射された衝撃は物凄いものだった。
身体中から血がドバドバ流れていくのがわかる、こんな状況でも冷静なのは何でだろう…
銃弾がうまく内臓器官を避けたから??
違うな、明らかに見た感じ、内臓もぐちゃぐちゃだろう…
それは見た感じではっきりわかる。
そう…俺は…俺の死体をはっきりと見ている、俺の死体の真上から…
これが、天に登ると言うやつなのかな??
建物の中だから、天井は無機質なコンクリートの筈が、今は眩いばかりの光に包まれている…
このまま俺は天に登って行くのかな??
そこで、俺は確かに言葉を聞いた…
『GAME OVER』
その言葉と同時に、意識が急速に消えていくのを感じた…