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零
ガサッ、ガササッ
6つの人影が森の中を駆けていた。目的を果たすため、その目的の場所へと。
突然少女が転んだ。だが他の5人は構う事無く先へ先へと駆けていく。振り向くことすらない。目的を果たす、その事以外彼らの頭の中にはなかった。
少女は転んだ時の姿勢のまま、何かぶつぶつと言っていた。
「不確定ナシステムトラブルヲ検知。自己診断プログラムヲ適用...自己診断ヲ開始。・・・・・トラブルノ原因ガ判明。長期間ニ及ブ連続不休稼働ニヨル躯体ノ磨耗。ソレニヨリ引キ起コサレタ動作不良デシステムエラーガオキタ模様。対応策・・・・・躯体ノ回復ニ必要ナエネルギーヲ確保シタ後、躯体...ノ回...復ヲ待...ツ、ッ...」
しだいに言葉が途切れ途切れになったかと思うと、やがて完全に沈黙した。