ここはどこ? Part2
扉を開けると、左右に長い廊下が続いていました。
(とりあえず、色々見てみようかな)
ここがどこなのか分からないので、貴女は屋敷を探索する事にしました。
廊下を真っ直ぐ進んでいくと、両サイドの壁に均一に扉がありました。扉の中央には表札のように、名前が書かれています。更に奥に歩いていこうとした時、左手にある扉が開きました。
「キャッ」
「ん……君、誰?」
そう言って、顔を覗かせたのは、目がクリクリした激甘フェイスの男の子でした。
「あ、あの。私……」
名前を言おうとした瞬間、遮るように男の子は笑いました。
「冗談だよ、姫」
「ぇ?」
貴女が驚いていると、男の子は首を傾げて言いました。
「僕のこと、忘れちゃったの? 僕は姫と同じクラスのユキだよ」
「ユキ…くん」
貴女が彼の名前を言うと、ユキは考えこむように手を口元におきます。
「もしかして、昨日のアレで記憶が混乱しているのかもしれないな」
「アレ?」
「あ。心配しないで、大丈夫だから。まずはここがどこか、わかる?」
ユキくんの質問に、貴女は首を振ります。ここがどこなのか、さっぱり分かりません。
「ここは、全寮制の『聖魔法学園』って名前の学校だよ。小、中、高とエスカレーター式の学校で、僕達は高校一年生。良かったら、案内しようか?」
ユキくんの申し出に、貴女はコクリと頷きました。
まだまだ続きます。