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外した仮面を眺めながら、久しぶりの、あいつの、声。


「…ありがとう。」


そう言うと、

あいつは仮面を手放したのだ。




【何故、それを、捨ててゆく?】


「…え、っ。」


【…何故、それを、捨ててゆく?】


「…幻聴??」


【幻聴と思いたくば、それでも良い。まぁ、似たようなものだ。】

【それより、答えろ。何故、捨ててゆく?】


「…もう、必要、無いから。」


【必要、無い?】


「うん、そうだよ。もう、ぼくには必要ないんだ。」


【…人間は、何かを成す時、皆、仮面を被るのでは無いのか?】


「面白いね。その通りかも、、でも、」

「もう、この仮面を被って“何かを成す”必要は、無いんだ。」


【…そうか、その仮面は、もう用済みか。】

【では、また、別の新たな仮面を被るのか?】


「…いや、それも、しない。」


【どういうことだ?】


「もう、仮面は、要らないんだよ。」


【仮面は、要らぬと?】


「うん、もう、いいんだ。」

「だだ、生きていければいいから。」


【…何かを成そうとは、最早、思わぬと?】


「うん、そうだよ。」


【諦めると?】


「…それは、少し違うかな。」

「元々、何かをしたかったワケじゃ、無い、みたいだからね。」


【では、これから、どうするというのだ?】


「無理に、何かを探すのも、どうかと思うから…」

「なるべく、何もしなくなると思う。」


【…何も、せぬと?】


「うん。」


【人間が、何も、せぬと?】


「うん、今、ぼくは、そう言った。…あ・じゃ、ね。」


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