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十三
【…おまえの心は、今、どうなっておる?】
『…え、っ?』
【おまえの心は、今、どうなっておる!】
「…何、それ?」
【揺れていない。】
「えっ?」
【揺れておらぬ!】
「…さっきから、」
【どうなっておる?】
【おまえの、それは、暖かだが空気が動いておらぬ。まるで…】
「まるで?」
【…まるで、時が流れて、おらぬ様だ。】
「……そうだね。」
【何故だ?私の心は揺らいでおるのに、時間がどんどん入り込んできて、 堰き止めようも無いというのに、なのに何故、人間であるおまえは…】
「ぼくは?」
【…おまえは、まるで、】
「まるで?」
【今迄の、私の様だ。】
「君?」
【ああ。】
真っ白な、こころ。