メールの内容
「松野殿ご返事を拝読して。私は1年前に銃拳北斗総班長に折伏され、入信いたしました。最初は不安もありましたが…」
身延はとりあえず聞き流す感じで見て見る。
その動画は約7分。話をしている男は原稿らしきのを読んでいる間「あー」とかが多く、身延はこの男が
自分で書いたのでは無く、原稿を読まされているんじゃないかと感じていた。
もういくつかの動画を見る。
すると最後に決まって誰もが
「…豊富先生に応えていく所存であります!」
と言うのだ。
身延は、これらの映像で、会員が言わされているのだと確信した。
「あらー。何だかここってアブねー」
思わず口に出た。
身延はもう少し見る事にした。
中に、最近アップされた映像を見る。
「あれ?こいつはさっきの?」
身延はさっきアップされた映像は程ほどに、履歴をさかのぼる。
「あ。同じ奴だ。高鍋とかって。二回目だ」
背景を良く見ると、色が違って居た。これに身延は、会場が違っていると推測する。
「インターネットでは本部が大阪になってだけど。あの男は東京の板橋区に本部が有ると言っていた。何でだ?」
身延はもう少し、インターネットでいろいろ調べてみた。
すると、どうやら「西日本」の本部と「東日本」の本部に分かれているらしかった。
因みに、豊富丸太郎会長とやらが居るのが関西なので、こちら(関西)がメインだろうと身延は思ったのだった。
そして、日蓮の事も出ていたが、この団体が日蓮とほとんど関係ない事も分かった。
「新興宗教ってやっぱり、ロクなもんじゃ無い」
と、思いつつ、大日の電話番号を拒否設定にした身延であった。
数日後。
身延の携帯電話に非通知での電話が鳴った。
「あちゃー。非通知での拒否設定忘れてたよ。とりあえず『間違い電話ですよ』とか言ってみちゃうか」
これがいけなかった。
身延は電話に出る。
「もしもし?どちら様ですが間違…」
「よー!俺だよ!大日だよ!」
「うわ!」
プツッ。ツー、ツー。
直ぐ様身延は電話をきった。
―3分後―
電話が鳴る。
「また非通知が。出ちゃだめだな。これは」
身延は完全に無視をした。
5分後、また電話が鳴る。
そして、切る。
こんな事が4回は続いた。
身延は大日をちょっと恨んだ。
「しつっこいヤツっ!」
一方大日は。
「出てくれない…何故、出てくれないんだ。いいたい事は沢山あるのに。こいつも救えないのか?」
大日はここまでくると摂流薄教団から教わった「逆縁」と思うようになる。
大日は時間を掛けて 身延に向かってメールを打ち、送信した。
「これでよし。つぎの縁者を探さなきゃ…」
一方、身延のほうは、大日から届いたメールに目がテンになりそうに成ったのである。その内容とは。
身延くんへ
最近、思う所あってメールさせて頂きました。身延くんは自分の話しを聞いて腹を立てイライラするのだ!とやっと気づきました。
アンチな人はどこまで行ってもアンチであり、実生活の中で摂流薄教団が「何としても!」の思いで身延くんの成仏を祈り、真心を尽くされる中には、
仏様のお力を以て、身延くんの心法の変化もあるやも知れませんが。
摂流薄教団は広宣流布の為に戦う団体なので、御遺命成就の暁には「潰してやる!」も
何も解散する団体である事、身延くんも最早お忘れではないでしょうか?
アンチの人達は、仏法に反発しているのではなく、自分を含め「摂流薄教団(会員)」が気に入らなくて腹を立てているように感じました。
実の所、インターネットを通じてみると反感を持つ人が沢山いるし…と思いつつ、
自分は摂流薄教団の宿命の方に同意し、早く宿命転換して仏法絶対!の実証を示して行けよ!と応援したくなる訳です。
このメール、納得してくれてますか!
仏法は人の悪心を駆り立たせるものではありせんからね。
大聖人様が御自身を憎み殺そうとした者までも成仏させたい!と残してくださったものです!!
数を追った慈悲の思いのない折伏はアンチの人達がいうように勧誘です!
しかし、この正法を弘通するには必ず魔が出来する事も仏法上の決して否定できない事実、道理です!その事を信じられるから自分は摂流薄教団なんだし、そんな事信じられっか!!と思うからアンチなのでしょう!
この平行線を変えられるのは人力では無理!全ては仏力にお任せし、自分はこれからも仏法の大事を綴って行くつもりです。
身延くんがいくら摂流薄教団の邪魔をしても、広宣流布は仏力で成るので、邪魔しきれませんよ|
(笑)それよか、ご自分の成仏の為にも、世の為人の為にも大聖人を信じ、お題目唱えてください!!
お元気で…。
大日和樹
このメールで身延は思った。
唱える事で手助けをしているとかじゃ無く「仏力にお任せし」の所では、大日は広宣流布に成ると云うヤツの前向きな意見とも取れる。
しかし、「なるようにしか成らない。生存中にならない場合は?仏力ってようは『人任せ』か?
とも思ったのだ。




