第九話:琥珀色の世界4
お久し振りですね〜甲崎零火です。個人的にはやっと終わった灰色の日々でした。
これからはちゃんと定期的に連載しますよ!赤文字(更新されてません、っていう表示)も点灯させません!
そういうわけで第九話です。これからはちょくちょく前の話の方を改稿する予定です。なにせこの話中学二年ぐらいに二話ぐらいまで書いて、放置していたのを見つけて書き足してるシロモノなので、日本語が変です。特に番外編!読みづらい!
さてさて、この話を読むのが(私のせいで)お久しぶりな読者様がもし一人でもいたら光栄の限りです。誰かお一人でも私の灰色な日々の間、連載再開を待っていただけたのなら、それだけでこんな時間に更新した事を喜べます。もちろん、新規読者様も嬉しいのですよ?言葉も物語も多くの人に読まれるためにあるのですから。
それではこのへんで。甲崎零火でした。
「あ、ほら。今日は随分と紅い」
文化祭前夜。準備に追われて、いつもより帰りが遅くなった。
周りはもう暗くて、紅く光る車のライトが映える。
何故、車のライトは紅なんだろう。不吉な感じがする、この暗い紅。
この色を見ると、理科の教科書に載ってた、血液を含まない「新鮮じゃない血」を連想する。
そんな物思いにふけっている時、大樹の声で夜空を見れば、満月から裂け逝く月があった。
紅い血に塗れたような、それ。
私の隣で樹もまた、ぼんやりと月を見ていた。
……樹が、この先も私の隣にいてくれるなら。
大樹を愛しく思う時間よりも長く強く、私を憎んでくれるなら。
私はどんな嘘でも吐く。貴方を傷つけ続ける。
ほら、あの月も私達の心と同じように血塗れ。
私か吐いた嘘で血塗れ。
……紅月の、綺麗な夜だった。
時々。
本当に時々だけど、樹と二人きりでいる夢を見る。
私は白い部屋の中でひたすら眠っていて。
樹が私にひたすら話しかけてる。内容は聞き取れない。聞こえてるのに分からない。
私は何だか寂しい。
何でかな。大樹がいないからかな。あんなに樹と二人になりたかったのに。
そうだ。大樹はどうしていないのかな。
体が動かないし、口も開かないから樹に聞く事も出来ないけど。
……それに、樹ともう少し二人でいたいから。聞けない。
ぼんやりと、聞き取れない言葉を喋る樹を見つめる。
何喋ってるの?
何で大樹はいないの?
何でここにいるの?
ねぇ、樹。
何で泣いてるの……?
あ、何だか眠くなってきた。いや、今も寝てるはずなんだけど。
意識が遠くなる。樹が見えなくなる。
代わりに、樹の声が聞こえてくる。
「…は………………………………いよ」
何て言ってるの……?
暗闇の中で、眼を開く。
この夢は、何も不自然なところなどないのに、何も怖いところなどないのに、私を気持ち悪くさせる。あの不気味に白い部屋と、いつもとは違って饒舌な樹。
動かない自分の体。
私は暗闇の中で、自分の体を抱きしめた。
冷え切った手足。でも、ちゃんと動く。
自分の体なのだから、当然なのだけど。
すっかり眼が覚めてしまった私は、起き上がって電気をつける。
そして気を取り直そうと、机の前の椅子に座ってペンをとり。
そこで動きが止まってしまう。
今、何をしようとしたのだろう?
何で私はペンなんか持ったんだろう?
宿題は寝る前に終わらせているし、何でペン?
私は自分の行動に首をかしげながら、ペンを置いた。
何か暖かいものでも飲もうか。ココアでも飲めばまた眠くなるかもしれない。
眠くなくても、寝なくては体が持たないだろう。
何せ明日は……明日は、運動会なのだから。




