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◇その4「お前のキャラって・・・」


「朝だぞアスカ、起きろー」


「・・・もう少し寝かせてくれぇ」


「だめだ、今日から学校だろうが。しょっぱなから遅刻は印象悪くなるぞ?」


 俺はそう言って、なおも布団にしがみつこうとするアスカを引き剥がす。


「ったく、しかたないのう」


「起きたらさっさと顔洗ってこい。ちなみに朝メシは超高級肉を使ったハンバーグだ」


 眠そうにふらふらと洗面所へ行くアスカを見送って俺も自分の用意を始める。




「「いただきます!」」


 机に座って手をあわせる。


「おぉ、ただの学生のくせにそれなりにうまいのぉ」


「当たり前だ。これでも高校時代はそれなりに有名な居酒屋で調理場を担当してたんだからな」


「なるほどの。ところでシロウよ」


「なんだ?」


「ワシが通う学校のことなんじゃが、急に転校などできるのか? ワシが来たのは昨日だぞ?」


「大丈夫だって、子供が細かい事きにしてんじゃねーよ」


「ふむ、ならいいんじゃが・・・」


 納得のいかないような顔のアスカ。


 まぁ普通なら手続きやらなんやらで急に転校なんて無理なんだろうけど、そこはあの黒服がなんとかしてくれたみたいだ。


 いやはやお金の力ってのはすごいね。


 


「「ごちそーさま!」」


「よし、皿はこの昨日買ったばかりの食洗器に放り込んどいてくれ」


「うむ!」


 朝ごはんを食べてすっかり覚醒したアスカが元気よく返事する。


 うん。一人も気楽でいいが、こんなのも悪く無いな。


「うし行くぞ。学校までは送ってやる」


「うむ、よろしく頼む」



 ~~~~~~



「ほぅ。なかなかに普通の学校だの」


「ったりめーだろうが。普通の市立の小学校なんだから」


 俺とアスカは校門の前でこれからアスカが通うであろう学校を見上げる。


 それなりにねんきのある建物だ。


「では行ってくる」


「おお、頑張れよ」


「うむ」


 元気よく返事をしたアスカは、そのまま学校へと入っていく。


 転校っていったら普通ならもうちょっとは緊張したり怯えたりするもんなんだろうが、さすが、堂々としてんなー。


「さてと、俺も大学行くか」


 アスカがちゃんと校舎に入ったのを見届けたあと、俺も学校に向かった。


 ちなみに俺の家から小学校は歩いて15分、大学は電車に乗らないと行けないから家からだと40分ってところだ。



 ~~~~~~



 アスカのやつ、うまいことやってるといいんだけどなぁ。


 授業中。


 こんな朝早くから勉強に集中できるわけもなく、俺は机に頬杖をついてぼーっとアスカのことを考える。


 立ち位置的には俺はあの子の仮の保護者であってるだろう。


 アスカと知り合ってまだ1日しかたってないが、早くも俺にはあの子に対して情というものが生まれてきたらしい。


 まぁ心配には心配だが、子供のことにいちいち首をつっこんでてもしかたないしな。


 それに学校には、アスカは金持ちの娘じゃなくて俺の親せきってことで話を通してもらってるから、あいつが一番嫌がっていた特別扱いもされないはずだろうし。 


 心配するとしたら友達関係か。


 黒服がアスカは人見知りで誰とも仲良くしようとしないって言ってたけど、俺にはあいつが人見知りしてるようにはみえないんだよな。


 むしろちょっとあつかましいくらいの気がするけど、やっぱ俺にだけなのか?


 だとしたら理由は? アスカが俺と出合ったときに人見知りの子供の心を開かせるような事があったのか? 


 手品でも披露したとか?


 あいつから聞いた話だと、家を飛び出して行くとこがなくて困ってた所に俺が現れて、いく所がないならってことで家につれて帰ったんだっけ。


 それで、酒のせいで記憶がないから思い出せないけど、確か朝起きたらアスカが隣で寝てたんだよな。


 ・・・ぁ、あれぇ。そういえばあいつ、寝起きに責任はとってもらうって言ってなかったか?


 あの時はパニクっててそこにはツッコメなかったけど、よくよく考えてみると結構やばいんじゃないのか・・・?


 つまり俺はアスカに、あんな小学生の子供に手を出したって言うのか!?


 いやいやいくら酔ってるからってあんな子供に・・ でも記憶が無いからなんとも言えないし・・・・


 やべー もしなんかしてたらどうしよ・・・ 消されんじゃね? 社会的に。


「シロウくん? 顔色悪いけど大丈夫?」


「え?」


 俺が頭を抱えて絶望していると、隣に座ってたハルカが声をかけてきた。


 ちなみにこいつは大学に入ってからできた一人目の友達だ。


「今、もしかして俺はとんでもないことをしでかしてしまったんじゃ・・・ とか考えてた?」


「へ!?」


 心を読まれて思わず声が裏返ってしまう。


「まぁあれだけ酔ってたもんね、やっぱり記憶飛んじゃってたんだ」


 栗色の髪を揺らして楽しそうにしゃべるハルカ。


 ちなみに俺はテンパって声がでない。


「でも大丈夫! シロウくんは家に帰ったあとにすぐ爆睡しちゃってたから何もなかったよ!」


 ぇ、ぇ? こいつ何言ってんの!? それって俺が酔っ払ってアスカを連れて帰った日の事?


 なんでハルカがそれを知ってるんだ!? 確かに飲み会にハルカはいたけど、家でのことなんかわからないよな!?


「な、なんのことだ?」


 アスカのことは誰にも言ってないはずだぞ。


「さぁなんのことでしょーねー ほらほら、授業おわったよ!次の教室いかないとっ」


「ちょ、待てって!」


 俺が呼び止めると、ハルカはこっちを振り返り、


「ハルカはシロウくんのことならなんでも知ってるよ・・・」


 とだけささやいて教室から出て行った。


 なんなんだ!? なんであいつがアスカのことを・・・


 というかあの最後のセリフ。冗談にしては目が全然笑ってなかったぞ・・・


 ハルカって元気な活発少女っていうイメージだったんだけど、そうでもないみたいだな。



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