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6話

Factorの様子がおかしい。


「情報はアップロードした。確かにダウンロードされたことも確認できた。途中までは国会議事堂までまっすぐ進んでいた。なのになぜ?」


この団体の名前はソーシャルレジスタンス。社会に反抗するもの。まぁ安直なネーミングセンスだ。

その名の通り、社会的弱者たちが集まり、権利を主張している団体である。

低所得世帯にとって、増税は大きな痛手だ。他にもいじめや、詐欺、ルッキズムなど、弱者が虐げられる環境は多くある。この団体の活動はそれを是正しようとする。または、するべきだと社会に呼びかけることだ。

そんな中、団体に所属している研究者の一人が、ある装置を開発した。


「感情転送装置」


人間に特定の感情を上乗せすることのできる装置だ。これを用いて、あらゆる人間に社会に対する負の感情を上乗せして、自分たちの言い分が通るようにしようとしたのだ。しかし、なかなかうまくいかなかった。

人間に乗せることができる感情が少な過ぎたのだ。いくつかの改良を重ねる中、副産物として生まれたのが情報を直接本人の脳に転送する装置だ。

上手に使えば、少ない感情でも思い通りに動かせると思っていたが、甘かった。どうしてもうまくいかない。思ったように動かない。

そこで、子供に装置を使うということを実行した。その結果、今まで以上の成果を出したのだった。それがFactorだ。


しかし、今Factorは彼らの思い通りに動いていない。原因を探るため、目撃情報やFactorに付けているGPSを確認した。


「ぬいぐるみを大事にしている…?」


ぬいぐるみが何らかの作用を引き起こし、Factorに異常を起こしていると判断。


研究者、百目鬼(どうめき)(れい)はぬいぐるみをFactorから奪う、または破壊を目標にFactorの元へ仲間を複数人連れて向かった。



Factorが休んでいるところへ、ある人物がやってきた。百目鬼 冷だ。


「やぁ、気分はどうかな?」


Factorは何か見たことがあるような気配に警戒心を露わにしている。それでもずっとぬいぐるみは抱いたままだ。


「あー、単刀直入に言うけど、そのぬいぐるみ、渡してくれないかな」


「やだ」


Factorは百目鬼を睨みつける。ぬいぐるみを奪う敵だと認識し始めている。

その様子に百目鬼は呆れて、溜め息を吐く。


「はぁ、しょうがないなぁ」


「奪うか」


百目鬼は、ぬいぐるみを奪おうと前に出てきた。すぐにFactorは逃げ、反射で蹴りを入れるが、防がれる。

そして近くで百目鬼の顔を見たことで、記憶が呼び起こされた。


目の前で母親を殺された。その犯人を捕まえたのが、この百目鬼だった。世界にはこんな酷いことをする奴らがたくさんいるんだと教えてもらった。そしてついた先が謎の研究所だった。なぜか母親を殺した犯人も近くにいた。その後、百目鬼に何かをされた。そこから記憶が一定期間無い。


気づいたら、周りを百目鬼たち、ソーシャルレジスタンスの人間たちに囲まれていた。皆、完全武装している。

今にも激戦が繰り広げられそうな空気だ。


その光景を見ていた軍の諜報部隊がいた。

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