4話
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「うう…」
Factorの脳内には負荷がかかった。幼い少女には多すぎる情報。使われなくなった情報が押しつぶされていく。
「せいふ…?」
「はやくころさなきゃ」
「ぞうぜい?にみんなが苦しんでいるから」
「おかねがたりないのに」
必要な事前情報が抜け落ちたまま、Factorは課せられた任務を自分の意思だと感じて遂行する。
「場所はあっち」
未だ痛む頭を抱えつつ、公園や使われていない建物での休憩を挟みながら進んでいく。
とある廃屋にFactorは身を寄せる。
「はぁ…はぁ……うぅ」
使われなくなってから、まだ少ししか時間が経ってないのか、埃がたまってきた程度で不快感は少ない。無造作に乱立した家具やおもちゃが当時の状態を物語っている。
そこに置いてあった大きなくまのぬいぐるみにFactorは気がついた。
「……!」
そのぬいぐるみを見た瞬間、なにかがフラッシュバックした。
刹那、Factorはぬいぐるみを抱きしめた。
なにか、大切なものだった気がする。ぬいぐるみを抱いていると、気持ちが安らぐような、落ち着く心地がする。
そのままFactorは眠りについてしまった。
何か物音がしたことに気がついて、地域の住民の一人が、Factorのいる廃屋に忍び寄る。扉が少し開いていて、中を見る。
「あれは…!」
「Factor …?」
テレビで見たような姿から比べると、もちろん姿形は同じ。怖いオーラも感じる。しかし、その寝ている姿は、かわいい女の子そのものであった。困惑しながらも、警察に連絡を入れる。
警察が来るまでに少し時間がかかったが、すぐに軍までついてきていた。すこし様子が違う気がするということを伝えてから、すぐに発見者は逃げ帰っていった。
警察たちがFactorのいるところへ足を踏み入れる時、すでにFactorは目を覚ましていた。ぬいぐるみを抱きしめたまま、ぎゅっと離さない様子が窺える。
ぬいぐるみをそっとソファに置いてから、ぬいぐるみを守るように前に立ち、警察たちに威嚇する。
「今すぐ武器を捨てて降伏せよ。さもなければ武力行使を行う」
警察の発言を無視して、大鎌を振りかぶり、大鎌を媒介して魔法を彼らに放つ。すると、彼らも反撃を開始した。
麻痺させる魔法を持った致死性のない銃が放たれる。小さな体に似つかない大鎌を振り回し弾く。しかし、一部の銃弾が当たり、身体が鈍る。
その隙を見て、軍が魔法や、剣を持って攻め入る。Factorは魔法で防御に回るのではなく、攻めることで虚をついて軍を退ける。
流石に人数不利がきついのか、ぬいぐるみを抱きしめて、窓から逃げていってしまった。大鎌はこのとき捨てられたものの、魔法で作られたものであり、魔力の残滓となり消えていった。
麻痺銃が当たっているとは思えない速やかな動きで、追うにも追えなかった。ぬいぐるみを大事そうに持つ姿に軍や警察は驚いていた。




