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3話

(Factorと思しき人物を見かけた際は、すぐに連絡をください。)

テレビでは幾つかの写真と共にそんな報道がなされている。少女の形をしていることから、大体小学生くらいであることは判明している。もちろん人造人間の可能性は否定できない。ただ、今の魔法が発展しているこの世界では、科学技術や、ここまで人間によせた身体構造を作ることはまだ難しい。

学校では、警察や軍が赴いて徹底的に検査されるようになった。悲しいことに、ここで疑われるのは、いじめられっ子ばかりだった。学校内での嫌われようから、Factorだとレッテルを貼られるのはそう言った人物になる。また、弱者をいじめる者。簡単に言えば、いじめっ子を狙うFactorの性質から見ても、そのような子が疑われるのは必然だった。いじめは殊更に酷くなっていった。


しかし、そういったことが起きればFactorも動く。

そのいじめっ子が家に帰った時、インターホンを押しても反応は無い。扉には鍵は掛かっていなかった。家の中は人の気配が無く、もぬけの殻であった。


「ママ…?パパ…?」


まだ小学生の子供にとって、恐怖しかないのだろう。

もう既に不安そうな目をしている。家の中の暗闇から黒い狼が一匹、顔を出す。


「うわああああああ!!!」


たまらず少年は逃げていった。公園、学校、友達の家。少年の逃げたい先には必ず黒い狼が待ち構えた。結果、そこを避けて通っていくと、少年は森の中にまで逃げる羽目になった。


「……ここどこ………??」


少年はもう既に泣いている。そして走り疲れて息も絶え絶えだ。


そこにFactorは待ち構えた。


「ひっ……」


「わたし、Factorって呼ばれているんだね」


「みんな私だけを恨めばいいのに、無関係な人を傷つける。馬鹿ばっか」


「もっと私を怖がって?みんなの敵は私!私の敵はみんなだよ!」


魔女のような怖い笑い声だった。少年は失禁していた。

構わず少年は逃げようとしたが、後ろには黒い狼が待ち構えていた。


「たすけて…!!」


「助けてママ!!パパ!!」


少年の助けを希う姿を見てFactorはニヤリと笑った。


「この人たちに助けを求めてる?」


Factorが手にとって見せたのは、少年の父親の生首。そして、母親は髪の毛を掴まれて苦悶の表情を浮かべている。


「パパ……?ママ……?」


「パパ!!ママ!!」


「動いたら殺すから」


この謳い文句にも慣れたのか、以前ほどの拙さは感じられない。目を細めて睥睨する。

より重い威圧感を醸し出す。


「でも、そうだね……だるまさんがころんだ、にしよう」


「私にタッチできたら、お母さんを返してあげる」


「私が後ろの方を向いているときは動いていいよ」


「じゃあスタート!」


一方的にFactorは「だるまさんがころんだ」を開始する。少年は、Factorが後ろを向いてだるまさんがころんだと言う(かん)、動いていく。振り向いたとき、少年は立ち止まる、その間後ろにいた黒い狼は止まらずに少年の方へ向かっていく。何回か繰り返したとき、狼の足音が段々と近づいていく恐怖。そして、動いたらすぐ殺されるという恐怖。もう少年は何度も失禁してしまっていた。


遂にタッチできるというところで少年は狼に追いつかれてしまい、脚を食べられていく。そして、動いたという判定で、Factorは少年の身体を鎌で貫いた。


それを見せられた母親は発狂する。


「うるさい」


母親の喉笛が斬られて、耳を劈く声は聞こえなくなった。


───────────────────────────

 

暗い部屋の中、いくつもの実験器具が並んでいる。そこにいる科学者らしき人物は複数。他にも多種多様な人物がいる。


「私たちの計画は今も順調に進んでいる」


「いつまでもやられっぱなしの私たちではないのだ!」


歓声があがる。

新興宗教か何かのような恐ろしさを側から見れば感じるであろう。しかし、彼らにはその客観的視点は無い。


「被検体cは……今はFactorだったか。Factorの状態は良好だ」


「やはり子供に扱う方が成功しやすかったな」


「ああ、次は政府に標的が向くように情報をアップロードする」


彼らの計画は次の段階へと進んでいく。


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