2話
それから至るところで血塗れになって発見される死体が増えていった。場所は何れも人通りが少ない場所で起きていた。
連続殺人として、警察は早急に犯人を捕まえようと動いている。
その犯人である少女は今、公園でブランコを漕いでいた。人が来そうな気配を察知したら、魔法で気配を消す。または、魔法で亜空間を作り、そこに身を隠す。
警察は魔法で攻撃した痕跡があることから、人通りの少ない場所で魔力探知をして魔力の残滓が無いか探っている。ただ、魔法らしき残滓があるだけで、今まで見たことのない魔法、魔力だったので判断が難しいようだ。
「あー、あっち、ひどい」
無感情のような、しかし、殺意のこもった発言である。気配を隠さず、小走りに一方向へと進んでいく。
向かった先は、都市部であった。ビルが多く立ち並び、人通りも多いお昼時。空は穏やかな天色で清々しい空間だった。
そこでその少女は一際大きなビルに向かって大規模な魔法を用意する。
警察は人通りの少ない場所に人員を割いていて、都市部には警察が少なかった。魔法の気配に気付いた一般人もいたが、その黒い、暗いオーラに気圧されて、近づこうにも近寄り難い。右手を前に翳し、そこに真っ黒な同心円状の紋様が中心に集まり、暗黒色の球を形作る。
「わるい感情、一掃する」
音速を超えるスピードでその魔法は放たれた。そのビルの中腹部に衝突するが、魔法対策も施されており、欠ける程度であった。しかし、その破片は重力で落下していき、下にいた人を容赦無く潰した。いくらを潰すようにプチっと人間は潰れ、血が飛び散る。逃げ惑う人々に揉まれ、まだ落ちてくる破片により、人々が潰れる。脚が無くなった者、手しか残っていない者、体が半分になった者。人通りが多い場所での事故は悲惨だった。
大鎌を持った少女がビルの中腹部に向かって大ジャンプをする。魔法を使って風に乗り、壊れたところからビルの中に入ろうとするが、中では魔法を構えて迎え撃つ人物が複数いた。大鎌に魔法を乗せて、大きく横に薙ぐ。その刃状に魔法が前方に飛び、魔法を構えていた者は魔法を放つことができたが、その刃状の鋭い魔法に打ち消され、そのまま首を斬られた。身長の差で頭を上半分消し飛ばされた者もいて、その人間は脳が外界に晒されてしまうことになった。
この大規模なテロ行為には、軍も流石に動き出した。
目撃情報から、姿を確認できたが、身元は全くわからない。見知らぬ黒い魔法には軍も梃子摺っており、このままいくつものビルを破壊されることになった。
国は緊急事態として、対策本部を立てる。かの少女。あの異常な存在には、便宜上として名前がつけられた。
「危険因子 Risk Factor」
略してFactorと呼ばれるようになった。
後の調査によって、このFactorにより狙われたビルは詐欺グループの拠点であったり、違法建築が施されたりしている場所であったことが判明。他にも行き過ぎた行動を取っていた活動家、炎上系で再生数を稼ぐインフルエンサーなど、そういった悪い人たちが狙われていた。




