【日間童話2位】神様の試練の正解は
少しテイストを変えて神話風に書いてみました。
ダークな世界観です。
ふわっとした設定なので温かい目で読んでください。
ある時、神は二人の男女の子どもを閉じ込めて言った。
人は誰かの犠牲で生きている。
ひとりが自分から犠牲になるのなら、もうひとりを助けよう。
最初はふたりとも、犠牲なんて選ばなかった。
当たり前だ。
一番難しいのは最初の箍を外すことだから。
けれど、一日が過ぎた。
十日が過ぎた。
……一年が過ぎた。
少年が言った。
――僕が犠牲になるよ。君は助かってほしい。
そうして、神は少女だけを助けた。
でも助けられた少女は幸せになれなかった。
当たり前だ。
何年も一緒に居た少年の死を、悲しまないはずがない。
再び少女の前に現れた神は言った。
――もう一度やり直し、今度は自分が犠牲になればいい。そうすれば少年を助けられる。
そして少女はやり直し、少年を助けた。
しかし、少年は助かっても幸せになれなかった。
当たり前だ。
自分を想って死んだ少女の事を、忘れられなかったからだ。
神は言った。
時間をやり直して自分が犠牲になり、また彼女を助ければいいと。
少年は、また自分が犠牲になった。
その結果、なにが起こるのか考えもせずに。
少女の悲鳴は、白い空間に消えた。
少年の慟哭も、同じく消えた。
同じ事を何度も繰り返し、少年も少女も記憶が溜まっていった。
――神様、なぜ記憶を消してくれないのですか?
神は答えた。
記憶がないと、人は停滞しているだけだからだと。
――では神様は、何を犠牲に生きているのですか?
神は答えた。
同じ神を犠牲にして生きているんだ、と。
少年と少女は考えた。
どうしたら愛する人を助けられるだろう。
少年は言った。
――そうだ。子どもを作ればいい。
僕たち以外の犠牲が、一人増える。
無事に産まれた子を見て少女は言った。
この子を犠牲になんて出来ないわ。
この閉じ込められた場所を、この理不尽をなぜ受け入れていたのかしら。
人は誰かの犠牲で生きていると神は言ったわよね。
犠牲になるのは、私たち以外でもいいのではないかしら?
――早く、神様が私たちの前に現れてくれないかな。
神様が求めていた答えはなんだったの?
多分、途中で僕たちが諦めることだったんじゃないかな。
最後の私たちの答えをどう思っただろう?
面白いと思ってしまったかもね。
だから、神も同じ事をまた繰り返しているのかもしれないよ。
神様って最初から理不尽なんだよ。
夜中のおかしなテンションで書いていました。
何かのプロローグにならないかなぁと想像してみたりします。
朝起きて書いたものを見ると偶にビックリします…。




