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breakfast  作者: 遠藤 敦子
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 村田(むらた)(あずさ)はこの春に大学進学を機に地元である神戸を出て、東京で1人暮らしを始めた。仕送りをもらっているとはいえ、東京の物価の高さから見ると仕送りだけでは生活費を賄うことはできない。そういうわけで梓はカフェでのアルバイトを始め、ホールスタッフとして働いている。

 今日の梓の朝ごはんは焼いた丸いパンと塩で味付けしたスクランブルエッグだ。パンにはバターを塗り、スクランブルエッグにはケチャップをかけて食べる。洗い物を済ませ、それから梓はアルバイト先へのカフェに向かった。



 実家で暮らす大学生の大和(やまと)(なぎ)は朝食に味噌汁と野菜炒め、白ご飯を食べた。味噌汁にはワカメと豆腐が入っており、野菜炒めにはキャベツとにんじんと鶏肉が入っている。朝食後、凪は恋人の新町(しんまち)果林(かりん)とデートに行くため、部屋着から私服に着替えた。大和家で飼っているヨークシャーテリアのデュークに「行って来ます」と声をかけ、凪は家を出る。



 今野(こんの)千絵(ちえ)は、正社員として働きながら女手1つで2人の子どもを育てるシングルマザーだ。6歳の息子の(えい)と4歳の娘の詩織(しおり)と3人で朝ごはんを食べるのが千絵の日課である。

 今日の今野家の朝ごはんはパンケーキとバナナと牛乳だ。パンケーキを出した時、詠と詩織は大喜びだった。簡単なものではあるけれど、喜んでもらえて良かったと千絵は思う。食べ終わった後は車で保育園と職場に行く。詠と詩織を保育園に預け、それから千絵は職場である介護施設に向かった。



 古田(ふるた)辰彦(たつひこ)は社会人になったことを機に1人暮らしを始める。大学生まで実家暮らしだったこともあり、これからはすべて1人で家事をすることになるのだ。こんな時に彼女でもいたらいいのにと思うけれど、辰彦は就職して遠距離恋愛になることをきっかけに学生時代の彼女と別れてしまった。

 そんな辰彦の朝ごはんは昨日コンビニで買った唐揚げ弁当だ。夜遅くに帰宅し朝早く家を出るため、なかなか自炊する時間の確保ができない。そういうわけでコンビニ弁当を食べ、辰彦は満員電車に揺られて職場に行く。



 70代の新庄(しんじょう)道郎(みちろう)と妻の織枝(おりえ)の今日の朝食は、味噌汁と焼き魚とワカメサラダだ。たまに息子夫婦が孫を連れて遊びに来ることがあるくらいで、それ以外は2人で食卓を囲んでいる。お互いの年齢のことや織枝の持病のこともあり、一緒にいられるのはあとどれぐらいなのだろうと考えていた。道郎も織枝も、2人で一緒に朝ごはんを食べる時間を大切に過ごしたいと思いながら今日も朝ごはんを食べる。

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