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その5 メディアと政局にまつわる、プロやきうを用いた詭弁むしろ妄言

妄言ですので、野球ではなくやきうの語を用いました。妄言ですので


 ここ数年、評論家・解説委員によく見られる言説として。


 「なんで野党で連立を組まないんだ」

 言外に、立憲民主党に協力しなさいというニュアンスが含まれているような。


 立憲民主党の政治家さんが「なんで協力しないんだ」と口にする時も同じ。

 「協力するのが当たり前」という意識が最初からあるように見えてなりません。


 しかし視聴者にして有権者である我々は、「何言ってだこいつ」的にお口ぽかーんになるわけです。

 「維新とか国民民主とか、立憲民主とはだいぶ毛色が違うじゃん」と。


 それでもメディアは、立民の政治家さんは言うわけです。

 「自民党を倒すために、小異を捨てて大同に付かなくては」

 「細かいことを! 勝負が、政治が分かってない!」



 言説の出し手と受け手に生じたこのズレですが。

 プロやきうを例に取ると理解がはかどるような。

 そんな気がしてしまったのです。



 私の父が熱心なタイガースファンだったもので。

 ゆえに中学生時分の私が「アンチ阪神」だったもので。


 「阪神の売りって『アンチ巨人』だけどさ、それ『巨人の存在を前提にしている』じゃん。嫌いな巨人に依存した自己定義ってダサくねぇ?」という理屈です。


 若気の至りについてはどうかお許し願いたく、さておき。

 現在については存じませんが、往年のタイガースファンには「アンチ巨人、ゆえに阪神」という方が多かったんじゃないでしょうか。


 いっぽう他チームのファンが魅かれたのは「それぞれのスタイル」だった。

 そこが大きな違いだったんじゃないかなって思うのです。


 例えば「厳しい練習のカープやきう」、「恐竜打線にバンドやきう」、「IDやきう」、近年聞いたのは「王イズム」でしょうか。

 私ですか? 「大ちゃんと共に苦難を乗り越える」横浜ファンでしたが何か?



 「なんで野党で連立しないんだ」という評論家の言葉、言外に「立憲民主党に協力しなさい」と言っているように見える……というか、言ってますよね事実上。


 これ、「巨人を優勝させないために、2位にして伝統的ライバルの阪神に勝ち星を譲れよ。巨人を主敵とみなして包囲網、エース級をぶつけろよ」という、一部のあたおk、もとい虎キch、もとい熱烈に過ぎるタイガースファンの暴言とパラレルなものに聞こえるんですよ。


 カープやドラゴンズのファンに言わせれば、「俺たちはカープやきうが、ドラゴンズやきうが見たいんだ。そのスタイルで巨人を倒す姿を……『ではなくて』、巨人も阪神も関係なく優勝する姿を見たいんだ」ってところじゃないんでしょうか。


 カープやドラゴンズの首脳陣も、もちろんそこは分かってる。

 ファンに応えようとするわけです。

 「我々のカープやきうを、強いドラゴンズをお見せします!」

 「もちろん巨人も叩きますけど?」

 「むしろダメ虎叩いて勝ち星伸ばすほうが優勝に近づくんじゃあ」


 維新や国民民主の政治家さんも同じではないかと。

 支持者に応えよう、有権者を引き付けようとするわけです。

 「立憲民主とはスタイルが違うんだから協力はできません」

 「独自に多数派を目指します」

 「自民だけでなく、立民の支持者も奪って議席を伸ばせば政権が取れるじゃん」

 「ウチの支持者の理屈は『アンチ自民』じゃないですし」

 「へたに妥協したら支持者が離れるんですってば」


 アンチ巨人ではなく、ドラゴンズやきうカープやきうでファンを集める。

 アンチ自民ではなく、維新スタイル国民民主ポリシーで支持者を集める。


 そういう戦略を立ててる政党に、アンチ自民を押し付けるって。

 ひょっとしてズレてはいないでしょうか。

 プロやきうだって最近は地域密着、「それぞれのファン」を大事にしなきゃいけない時代だって聞くし。


 巨人対阪神、アンチ自民・打倒自民党政権。

 メディアの文脈(ひょっとしたら日本政治学の文脈)、自分たちで作った物語。

 悪いとは申しませんけれど、こだわりすぎにも見えるような。

 玄人受け内輪受けにハマってしまっているような。


 倒せば勝ちのやきうならそれも良いでしょうけど……。

 政治の場合、野党は与党を下野させた後が勝負じゃないかなって。

 そこで何をするか、要はスタイル・ポリシー・政策を問われるわけですから。

 アンチ自民をメインのスタイルに掲げても、有権者を失望させちゃうんじゃないかなって。


 「民主党政権の悪夢」(検証足りてなくない?)を経験した政治家さんたち、そこを肌身に感じてらっしゃるようにも見えます。


 近年、自民でも立民でもないところが支持を伸ばしている理由って、そういうところもあるんじゃないかなって。


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