恋よりも
薄明かりの下で揺らしたカクテル。
光を弾いたそのきらめきが、涙みたいだなんて、
感情的過ぎて笑えるわ。
「そろそろいい奴みつけろよ」
煙とともにあなたが吐いたその一言に、
なんて返したかなんて覚えていない。
だけど、いつもの顔で笑ったわたしは綺麗だったでしょう?
愛していると囁けば、きっとあなたは手に入る。
泣いて縋れば、あなたはきっと振り払えない。
だけど、ねぇ?
あなたとの愛よりも、わたしだけの恋心のほうが大事なの。
愛を乞うなんてまっぴらよ。
跪いて、愛してほしいとねだるあなたしかいらないの。
ねぇ、だから覚悟して?
あなたのすべてはわたしのものよ。