とりあえず全国の生徒会に謝ろう
次の日、本格的な活動が開始された。
会長さん曰く「変わった遊びをする部活」らしいのだが、何をする気かさっぱりわからない。もっとも、この部活は生徒会としても活動しているため学校側に迷惑がかかるような大きな事は出来そうもないがな。
「最初のゲームはこれだ」
昭彦が黒板にゴンゴンと音を立てて何かを書いた。
「えーと、『いし…か…ず…い…じ…め』っと」
「ちょっと待て!何書いてんだ昭彦!って言うか慎二!お前どこから持ってきた!そのいかつい兵器!!」
「「なぜ待たなければいけない?」」
120mmマシンガンと小型ビーム砲をそれぞれ構えた2人の悪魔が口を尖らせる。
どうやら俺が止めなければ本当に殺る気だったらしい。こいつら…
「とにかく何かほかのにしろ。ほかのに」
「よーし。じゃあこれだ」
黒板に書かれた遊び。それは、『大爆笑ビデオ3連発』なるものだった。
妙な寒気が背中をよぎる。
「このゲームは、『ただ単に面白いことをビデオに撮影して、○コ○コ動画に投稿しよ~!!』というゲームだ」
「時間があればこそできる究極の暇人専用ゲームだな」
「まあそう言うなって。じゃあスタート!!」
1番手:慎二 タイトル『オヤジギャグを言ってみた』
「どーも。最近布団がふっ飛んだSinです。
いや~、アルミ缶の上にあるミカンというのはおそろしや~。
ロシアの殺し屋と同じくらい恐ろしや~。あ、でもナイスな椅子に座っていればそうでもないか。ところで…」
「「……………………うわぁ」」
「変な声吹き込むなよ!撮り直しになっちまうだろ!」
「あ、いや、その…いいや。撮りなおさなくて。と、とってもおもしろかったし…ね」
「そう…だな。うん。よ、よーし!次は俺の番だ!」
「お!やるか石和ゥ~!」
「おい待てよ!俺の動画は!?」
「「とっても面白うございました」」
「なんで丁寧語!?まあ…そうか?面白かったか?やっぱりな~。俺も自信あったんだよ、今回のギャグ。特にさ…」
よかった。筋金入りのバカで。
なんというか、こいつアレだな。新世紀アホンゲリオン。
スベっちゃだめだスベっちゃだめだスベっちゃだめだスベっちゃだめだ…なんてな。
2番手:俺 タイトル『いつもの風景』
「おい昭彦。そろそろ飽きてこないか?」
「それもそうだな」
「うわ!自分勝手!俺いじめれられただけ!?稲村慎二はサンドバックじゃないよ!?」
「「なんだってえええええええ!?そ、そうだったのか!?」」
「なにその新鮮な反応!君たちは俺をサンドバックだと思い込んでいたらしいな!」
「「はい!世界共通の常識であります!(キリッ)」」
「『キリッ』じゃねえよ!無駄にさわやかな笑顔やめろよ!気味悪ぃ!」
「「さて、冗談はこのくらいにして…」」
「くっそおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
泣きながら走り去る慎二。それを見ながら大笑いの俺たち。まさにいつもの
風景だ。楽しいなあ。あ、ちなみに昭彦の動画投稿は慎二逃走により中止となった。べ、別に作者が思い浮かばなかった訳じゃないんだからな!か、勘違いするなよ!
…こほん。と、いうわけで。俺は優勝したのだが、賞品というのがまたぶっ飛んでいた。その名も『昭彦様の肩を叩ける券』。昭彦は懐からそれを取り出し、笑顔で手渡してきやがった。なんだろうな、この胸の高鳴り。人はきっとこの感情を殺意っていうんだろう。
…そうだ。エジソンもビックリのナイスアイデアを思いついた。
「昭彦、早速これ使わせろ」
予想外の言葉だったんだろう。「ん?いいよ」とひとつ返事で返してきた。
じゃあ始めるか。右手にメリケンをはめて…
「いくぞー。せーの…」
ごきゃっ。
「ぎゃああああああああああああああああああああああ!!」
空から飛来したイ〇ンクックのような奇声を発しながら昭彦は、保健室を求め走り去っていった。右肩を抑えていたのは何でだろう?っていうか昭彦、
保健室は反対方向だぞ?
遅くなりました。テスト期間終わったんで投稿再開です。
まだまだ未熟なので、よろしければ感想にて評価お願いします。
ではでは。