集結するバカ共
俺の名は赤石和希。今回の物語では某大人気アニメの〇ョン的な存在だ。俺が今いるこのクラスは、風下高等学校の1年A組。ちょうど入学式も終わり、帰る者は帰り残っている者は残って話をしていた。
「ああ、退屈だ…」そう嘆いてばかりの毎日だった中学校生活も終わりを告げ、今日から楽しい高校生活を送れるとばかり思っていた。だがそれは大きな間違いで、実際は何も変わらない。教師の話もベタな内容だし、校長の話はどこの学校でもクソ長い。
「まったく、義務教育を過ぎてもこれか。世も末だな」
窓の外を見つめながら俺はつぶやいた。だが、
「そ~んな退屈を解決しちゃいましょ~!!」
奴が来た。奴は俺の顔を人差し指でつつきながら更に続けた。
「首垂れてしょげてんなって。先が見えないだろ」
「いや、首垂れてないけど。でもお前にしちゃいいこと…」
「って、アムドライバーのOPでもいってるだろ」
「結局アニソンかよ!!」
奴の名は黒谷昭彦。自称オタクのアニメバカで、小学校からずっと同じクラスだった。
「でも解決って言ったって、どうやってだよ」
「部活作り」
「よしわかった。とりあえず精神病院に行こう。いい医者を紹介する」
「お前は地獄に行くか?いつから俺は精神不安定者になった」
「はぁ…で、どんな部活をだ?」
「DNAクラブ」
「それはエスオー〇ス団のパクリと受け取っていいのか?」
「ああ」
「一応聞いておくが何の略だ?」
「『Don'tNormalAmusement《ドント ノーマル アミューズメント》』。普通じゃない娯楽」
「結構まともだな」
「だろ!?そうだろ!?俺も気に入ってるんだ!!ドントノーマルは造語だけど!!」
「でも入らんぞ」
「そうはいかん」
こいつは何を言ってるのだろう。俺は確かにキョ〇ン的な役所だが、彼同様に
わけのわからん妙な団体に入るのは御免被りたい。
「これを見ろ!!」と昭彦が突き出したのは再来年までの生徒会メンバーが書かれたA4用紙だった。でもおかしい。
「生徒会なんてまだ決まってもいないだろう?なぜお前がこんなものを持っている」
「俺の手にかかれば校長を操る事など赤子の手をひねるようなもの。今年から数えて3年分の生徒会メンバーを勝手に決める許可を得るのもまた然りだ」
「入学初日に校長を操るお前はある意味で天才なのかもな」
「と、いうわけで今年の生徒会役員その2はお前。ちなみにその1は俺な」
御免被れなかった。ああ、今ほど自殺を志願した事は生まれてこのかた一度も無かっただろう。…どこかに拳銃とか転がってないかな。
「5時に旧体育館で待ってる!1秒でも遅れたら公開羞恥プレイな!」
昭彦は満面の笑みでそう言い残し、風のように走り去った。
明後日の方向を向く俺には、既に嫌な予感がしていた。とうとうこの学校にも吹き荒れるのか。昭彦という超巨大台風が。…5時って言うと放課後だよな。しょうがない、行くか。
さて、ここは放課後の旧体育館。本当は来たくなかったのだが、昭彦は有限実行という言葉をそのまま擬人化したような存在であり、言った事は全て実行しなければ気がすまないやつなのだ。俺も俺とて弱冠16才で羞恥プレイは避けたいため、こうしてしぶしぶ来てやったのである。もう一度言うが、ここは旧体育館。防音完備で更に暗幕を閉めれば外からは何も見えないこの空間には、謎の機械がごろごろ転がっている。…ここ学校だよな?米軍のA級軍事基地とかじゃないよな?
「DNAクラブ3人目のメンバーはこいつだ!!」
昭彦がとてつもなくうれしそうにある男を連れて来た。
「よう!!石和!!」
「慎二!!お前も巻き込まれたのか!!」
こいつの名は稲村慎二。空気を読めないダメ人間で、別名エアクラッシャー。こいつもまた小学校から同じクラスなので、どんな奴かはハッキリとわかる。
「なんでまたお前が?」
「来ちゃいけないのか?」
「いや、いけないってわけじゃないけど」
「じゃあいいじゃん」
「…まあな」
慎二から目を放し俺は、昭彦の顔を睨みながら問い詰めた。
「お前、また脅迫したろ」
すると昭彦は怪しい笑顔で空を仰ぎ、「どうかな」と一言だけ言い返した。
その言葉には確かに悪意が込められていた。
百鬼夜光です。
さあ始まりました、百鬼夜光作品第2弾。
今回はカジノ・ポリスからキャラの流用をさせてもらいました。
すみません。キャラの名前が思い浮かばないものですから…
とにかく、第2弾も生温かい目で見守ってください。よろしくお願いします。