9日目/庭のゴミ掃除
そろそろこの作品も完結です。
そこで皆さまにお願いがあります!!
この作品の結果として、自分の反省に繋がるので
ブックマークだけではなく、コメントなどもお待ちしております。
もし総合評価が100pt超えれば、
頑張って続編書きます(苦笑)
どうかよろしくお願いします!!
●三枝屋敷(夜)
「――参ります」
玄関横に左右へ、一直線に伸びている花壇。
そのレンガ造り、とある1枚を片足で踏み抜く。
それがスイッチとなり、周囲1畳ほどの花壇が揺れ始める。
そして地面ごとそそり立つ、花壇。
舞うのは土埃。
その中からある種のクローゼットが現れる。
土気色の光を失った、武器庫。
厳重な金庫とも例えるべきだろうか。
錆びた重い扉を開く。
すると、ずらりと並ぶ武器の数々が姿を見せる。
木目のライフル銃。
流麗なショットガン。
小ぶりなマシンガン。
口径ごとのハンドガンも数丁。
手榴弾や補充用の実弾。
日本刀や銃剣のような武器まである。
どれも年代が古いモノばかりだが、手入れは完璧だ。
先代主人がいなくなっても、怠った事など1度もない。
これは本来、殺しの道具。
当然、若葉が借りてきたエアガンでは威力の比にもならないだろう。
だが、これがなければ”外道”相手には何も始まらない。
「ご主人様――危険ですのでお下がりください」
と、迷わず手に取るは9ミリサブマシンガンが2丁。
マガジンの弾丸を確認し、装填する。
その際、マガジンに体液が滴るが気にしない。
「……わ、わかった……」
と、壱号の手慣れた感じに目を奪われる。
足を引きずりながら、やっと屋敷の影に隠れる。
その避難を流し見た壱号。
先ほどまで空の手とは違い、今度は黒鉄の機関銃。
それらを小脇に構え、銃口を伍号に向ける。
「お待たせしました」
「んじゃ、第2ラウンドってとこかね」
と、その言葉を置いて伍号が疾駆する。
だが猪突猛進ともとれる進撃に、今の壱号が物怖じする事はない。
壱号、即座に反応して引き金を引く。
鉛玉の乱舞。
凶弾の嵐。
伍号、弾丸を四肢に受けながらの突貫。
急所を槍斧で庇い、致命傷は避けていく。
めり込む弾丸に、痛みはない。
だが、当たった衝撃で身体が後ろに流れる。
「くッ!?」
そもそも伍号自身、強襲殲滅を得意とする能力だ。
ほとんど不死身に近い不死者の彼女。
だが、戦闘の主な立役者は使役する亡者。
その亡者の数に物をいわせ、消耗した敵を自分が薙ぎ払う。
そうした戦闘スタイルだ。
したがって、壱号のような飛び道具は苦手な部類に入る。
伍号単体では、中距離戦はあまりにも不利。
「ちっ! 亡者共ッ!」
周辺に散らばっていた亡者が、一斉に動きを止める。
屋敷内も、一瞬、静寂を取り戻す。
支配者の号令により、亡者は一目散に壱号へ襲いかかった。
まさに次から次へと。
2階の窓、玄関、裏門。
至る所から亡者が壱号を取り囲んでいく。
「対処します」
と、冷静に喋るその口で、手榴弾のピンを抜く。
放り投げられたパイナップルの形をしたそれ。
弧を描き、亡者の波に紛れ込む。
その爆風に亡者は散り、身体がへし折れる。
若葉のバールで傷1つ付かなかった亡者の体躯。
”外道”相手を想定した、特殊加工の火薬には無意味に等しい。
勿論、その火薬は弾丸にも投入されている。
弾丸の衝撃と共に、頭部が粉砕していく亡者。
伍号を左手のマシンガンで牽制しつつ。
さらに爆風の弾幕を張っていく壱号。
「はは! 手あたり次第かよッ!?」
「失礼な。ちゃんと狙っています」
所詮は亡者、意思のない操り人形。
その直線的な行動に、的確な予想ができる壱号の敵ではない。
壱号からいわせてもらえば。
亡者との戦いは、単なる駆逐。
除草剤を撒くように。
排水溝に洗浄剤を使うように。
汚い床を箒で掃くように。
それらと何ら変わりないのだ。
読了ありがとうございます。
簡潔に。
コミカルに。
引き続き、それらをモットーにやっていこうと思います。
「アホだなぁー」とか、
「なんかこうすれば面白くなるのになぁー」とか、
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