4日目/内なる声
ちょっとした閑話休題です。
片っ苦しくなるので、飛ばしてよろしいかと……(笑)
そろそろアクション要素が増えてきます(予定)
●道路
屋敷を後にした三枝若葉。
彼の向かう先は、市立図書館。
屋敷から徒歩15分ほどの道のりだ。
だが彼の知識欲は、彼の両足を駆り立てる。
その早歩きだと、10分弱で到着しそうな勢いだった。
「……へぇ……こんな所に墓地があるんだ……」
右手に、墓地が構えていた。
灰色の墓石や色あせた卒塔婆が立ち並ぶ。
まだ夕方だが暗くなった帰路は、さぞかし気味が悪いだろう。
幽霊屋敷に、気味の悪い墓場。
これ以上、夜を彩る物はないだろう。
「せんせぇー! また明日ねぇー!!」
「はい、また明日ね!」
「………………」
少し先には幼稚園があった。
敷地を覆う壁、その門辺りから数組の親子が出ていく。
「ねぇママ! 明日だよね! パパと一緒に遊園地に行けるんだよね!!」
「ええ、そうよ。明日はパパも休み。3人ではしゃぎましょ!」
「うん!」
とある組、母親と娘が手を繋ぎながら向こうの角へ曲がっていく。
「………………」
そういえば、と心で呟く若葉。
「……お母さんやお父さんと、どこにも行けなかったな……」
かつて、自分が病弱だったせいだろう。
今でこそ元気な姿で歩き回れるが、その両親も行方不明。
挙句、どこにも家族一緒に遠出をした思い出がなかった。
「……仕方ない、よね……今さらだし……」
憂いが心を濁らせる。
しかし住宅が徐々に捌けていくにつれ、心が少し晴れていく。
図書館の建物が見えた。
そこへたどり着きたい欲求が、沸々と胸を高鳴らせる。
「…………」
壱号や弐号を、人外たらしめている”外道”の知識。
その魔術や呪術を、ただ知りたい。
その欲が若葉を突き動かす。
探しても探しても、有り体な事しか見つからない。
そんな教科書のような、有り体な知識はいらない。
もっと深淵。
もっと本質的な。
”外道”の知識が欲しいのだ。
これまでは知る努力をすれば、分厚い本を調べれば知る事ができた。
しかし、”外道”の知識はそんなに簡単に知る事ができない。
もがく、むず痒い感覚。
のどが渇いているのに、水が飲めないような枯渇感。
『――我の欲を埋めよ。我の身を埋めよ。我を――』
「え?」
と、視線を背後へ翻す。
そこには誰もいない。
乗用車が向こうへ走り抜けていく。
「……気のせいかな?……」
若葉、独り言をつぶやき首を傾げた。
読了ありがとうございました。
断りとして、一言。
この作品は、『家政婦=メイド』として表現しています。
ご容赦ください(笑)
もし字面の表現の仕方や、
無理やりなギャグテイストに思う所がありましたら、
ブックマークや評価よろしくお願いします。
生暖かく投稿していきたいと思います。




