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7話

「雪、合宿しよう」

「が、合宿?」

「合宿です!」

終業式を過ぎ、夏休みに入った雪風の元へ料理を学びに来ている千夜、如月先生はそう言った。

「合宿って…何を目的に?」

「そりゃあもちろん、雪の料理を学ぶという目的だよ!」

「うんうん!」

千夜とその言葉に頷く如月先生を交互に見ながら

「料理を学ぶために、ねぇ…」

「雪の手元をじっくりと観察して作業の手順とか調味料の割合とか学ぶためだよ!そのためには1日1回じゃ足りない!」

「そうです!だから合宿するしかないんです!」

「は、はぁ…」

2人の勢いに困惑する雪風の頭に何かが乗っかる。

振り向くと、蓬がニヤニヤと笑って手を乗せていた。

「ちなみにこれは建前でな。本音はもっと雪の料理が食いたいってよ」

「ちょっ、蓬ぃ!それは言わないお約束でしょ!」

「そうだよ!それ言ったら意味ないじゃん!」

「あぁ…そうなんだ…それならそうと言ってくれればいいのに」

「いや、雪の料理を学ぶ気持ちはあるから!ついでに雪の料理も堪能できたらなぁって…」

「あ、うん。まあ合宿は構わないんだけどさ…いつから?」

「「今日から」」

「随分と急だね。だから珍しく荷物が多いんだね」

「「全部衣服が入ってます」」

「あ、はい。私だからいいけどさ、他の人だったら怒ってるよ」

「雪の寛大な心だからこそこういうことが出来るんだよ」

そんな謎理論を言いながら笑う千夜に苦笑を返し

「それじゃあ、丁度在庫もなくなってきたし食材の買い出しに行こうか」

「いこいこ!」「レッツゴー!」

はしゃぎながら玄関に向かう2人の後をついていく。

そして暁達は合宿の内容を話しながらスーパーへ買い出しに向かうのだった。



雪風が暮らしている家から少し遠い場所。

そこにあった1台の、本来ならば見かけることがないであろう高級車、メルセデス・ベンツがあった。

「…やっと…見つけた…雪」

車内でそう呟く少女。

その手元には双眼鏡があり、レンズの中には雪風が映し出されていた。

通り行く主婦であろう2人が車を見てることなど気にもかけず、一心に暁を見つめ続ける。

「探し続けて10年近く…ようやく再会できる」

ニッコリと屈託のない笑みを浮かべる。

「待ってて、雪…いや…」

一息置いて、やがて

「私の婚約者さん…♡」

と、目にハートの模様を浮かべながら言った。

謎の少女については後ほど「主な登場人物」に記載します。

追加:謎の少女について大まかな説明を加えました。

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