1話
4月に入り春休みも終わりを迎える中、いつも通り昼食を買いに出かけようと外に出た時、丁度インターホンを鳴らそうとしてた蓬と千夜に出会う。
「今から昼食を買いに行こうと思ってたんだけど」
そう言うと、2人は顔を見合わせて頷き
「俺達も行っていいか?」
「まあ、昼食を食べに来たんだろうし構わないよ」
首肯すると、蓬達は喜ぶ。
そして雪風達は昼食を買いに近くのスーパーマーケットに向かった。
◇
「ちなみに今日の昼食はなんだ?」
スーパーへ向かう道中、蓬が雪風を覗き込んで問いかける。
「特に決まってないけど、何か食べたいものある?」
「食べたいものかぁ…」
そう聞くと、蓬は顎に手をやり考え始める。
「あ、じゃあさ、海鮮丼とかどう...かな?」
唐突に千夜がそう聞いてくる。
「海鮮丼かぁ...うん、いいと思うよ」
「俺もそれでいいよ」
3人の意見が一致したため海鮮丼に決め、スーパーへ向かう足を速めた。
◇
スーパーに着き、早速魚コーナーへ向かう。
「えーっと、何がいいかな」
そこに陳列されている魚の種類を見てそうこぼす。
海鮮丼を提案した千夜は頬を膨らませて不機嫌な顔をしている。
「…どうしたの?」
「…サーモンが無い」
「え?サーモンならここにあるよ」
「あ…。てへぺろ☆」
「ちゃんと見なよー?」
「ごめんちゃい」
懐かしい言葉を聞いた秋風は思わず吹いてしまう。
「雪、この3つでどうだ?」
蓬が商品を見せてくる。
その手にあったのは鯛、鰤、鮪、サーモンだった。
「それでいいと思うよ」
笑いながらも承諾し、レジに向かって購入した。
「それじゃあ早く帰ろうか。魚は鮮度が命だからね」
そう言って家に向かう歩みを早めた。
◇
「そういえば、千夜は料理学んでるのか?」
帰路を辿っている途中、蓬が思いついたように千夜に聞いた。
その言葉に千夜は視線を泳がせて
「あ、えーっと、料理はお休み中です...」
「...お休み?」
「うん。せっかくの春休みだから遊びたいし、春休み明けてからでいいかなーって」
えへへと笑う千夜に蓬は少し呆れたような表情でそ、そうかと言う。
「あ、家見えてきたよ...ん?」
自宅が見えるのと同時に、道路の端ぶ人が倒れているのが目に入った。
「「「!?」」」
それを認識した途端、雪風達の体は動いていた。
「大丈夫ですか!?」
袋を蓬に預け、少女の元へ駆け寄る。
息はしているため、最悪の事態は大丈夫そうだと安心する。
「う、うぅ...」
少女から声がする。
「大丈夫ですか!?」
少女に問いかけると、呻きながらも声を出した。
「お、お腹すいた...」
「「「へ?」」」
傍らで見守っていた蓬たちも素っ頓狂な声を上げる。
それと同時に少女のお腹からぐ~っと音が鳴る。
呆気に取られて3人で顔を見合わせる。そしてプッと吹き出す。
「それなら、私の家でご飯食べますか?」
そう聞くと、ご飯が食べられると認識したのか小さいながらもしっかりとした声で
「た、食べます...」
と返してきたのだった。




