16話
「…暁さん?」
「あ、外崎先生、どうもです」
ぺこりと会釈しながら入ると、目を丸くしていた外崎先生はさらに驚く。
その目線が服に注目していると悟った雪風は困ったように頰をかいて
「すいません、休みとは言えど学校にこんな服装で来ちゃって…」
「……あぁいえ!大丈夫です。原因は如月先生でしょうし」
ジロッと如月先生を見ると、そこにはおらず辺りを見回していると
「暁さぁーん、来てくれて良かったですよぉ」
雪風に抱きついている如月先生がいた。
「……」
どうすべきかと困惑した表情になっている雪風だったが
「如月先生、とりあえず外崎先生の話を聞きましょう」
「…はい」
雪風の方、正確には如月先生の方を見ていることに気づいた雪風は、外崎先生の方を向かせる。
「それで、外崎先生はどんな用事で如月先生を?」
「…学校のホームページを更新しようとしたらしいんだけど、画像の表記がおかしくなっちゃって」
「ホームページが?」
「ええ。つまり、何かやらかしたから正しく表記されなくなっちゃったって事。それをした先生は不幸にもコンピュータ音痴でね…プログラムに支障があると思うのだけれど、私達はプログラムに関しては詳しくないから…」
「なら、石橋先生に頼めば…?彼がコンピュータ部の顧問のはずですが…」
「…石橋先生は育児休暇中よ。というか副顧問である如月先生には真っ先に話がいってると思うんだけど」
「…あぁー!」
思い出したのか、ポン!と膝を打つ。
その行動に外崎先生はまたため息をつく。
「あぁー!じゃないわよ。だからずっと連絡してたのに、一向に出ないし、挙句暁さんも来てるとなると…」
ジロリと如月先生を睨み付けると、ヒィッと声を上げて雪風の後ろに隠れる。
その様子に確信したのか蔑みの視線を送る。
「暁さん、ごめんなさいね。こんな先生が勝手にそっちに行くなんて…」
「あ、いえいえ。とりあえずそのプログラムを直しに行きましょうよ。ね、如月先生?」
「は、はい」
「…暁さんの仕切り方には感心するわ。じゃあ行きましょうか。き・さ・ら・ぎ・せ・ん・せ・い?」
「は、はひっ!」
「暁さんも来て下さい。どっちにしてもその服装じゃ色々と問題ありますし」
「あ、はい。すいません、こんな服装で」
「……」
シンプルな服装から覗く真っ白な素肌が見えるのが顔立ちも相まって可愛すぎて女の子にしか見えないから来て欲しいと言ったのだが、それには気付かず謝る雪風を見て小声で呟く。
「…可愛すぎない?」
「ん?何か言いました?」
「いや、何でもないわ」