13話
「…という経緯があったんだよ」
『…ん?』
話を聞いていた3人は疑問に思ったことを口に出す。
「いや…結婚の話は?」←蓬
「それって出会った時の話だよね?」←千夜
「どうしてそこから結婚に行くんですか?」←如月
「ごめんちょっと何言ってるか分かんない」←秋風
「なんでだよ」
「いやだって…あれ恥ずかしいんだよ。ほんと」
「…恥ずかしい?」
「うん」
頷くと、ますます気になるのか3人は霞へと聞き出す。
「ねえ霞さん、何があったの?」
「そうですね…」
ちらりと雪風を向いて微笑む。
「雪が良いと言うなら、私は話しますよ」
その言葉を聞いた3人は目を輝かせながら雪風に詰め寄る。
「な、何…あれ恥ずかしいからあんまり言いたくないんだよ。ね?皆この気持ち分かるでしょ?」
「まあなんとなく分かるけど」
「好奇心には」
「勝てないよね〜」
「いや言わないよ!?いくら3人の頼みでもダメだから!だから諦めよう、ね??」
その言葉に3人は何も言わず、ジリジリと詰め寄り、雪風が許可を出すまでくすぐり続けた。
「…さて、霞さん、聞かせてもらいましょうか」
蓬が笑って言う。
「良いですけど…」
ちらりと3人の奥を覗く。
そこには目尻に涙を浮かべて痙攣し倒れている雪風の姿があった。
「…大丈夫ですか?」
「大丈夫です。これでも雪は治るの早いんで」
「ああ、そうですか…じゃあ話させてもらいますね」
そう言ってコホンと咳をして話し始める。
「えーっと…婚姻の話は私から『もし結婚するなら、どんな人がいい?』という話を振って、その時に返ってきた言葉が…」
ポッと顔を赤らめて手を頰に添える。
「『私が結婚するなら、霞さんみたいな人かな』と…」
「まさかの雪からプロポーズ!?」
「えぇ、その言葉と少し赤くなった頰、照れた表情がたまらなく可愛くて…」
頰を染めてうっとりした表情で話す霞。
「ほぉ〜…」ニヤリと蓬が笑う。
「雪って…意外と肉食系なのかな?」
「に、肉食系じゃないよ…」
よろよろと立ち上がりそう言う。
「まったく…やり過ぎだよ…」
ふーっと大きく息を整える。
「それで、私の黒歴史レベルの話を暴露したところで霞さんはこの後どうするんですか?」
「私はここに住みますよ?」
「え??」
「元よりそのつもりで来たよ。だから生活必需品は車にある。雪の部屋ってどこ?」
「二階にあるけど…」
「じゃあその隣でいいかな。いい?」
「あ、うん…部屋余ってるから構わないけど…霞さんは学校とかどうするの?」
「学校は決まってるわ。まあ後のお楽しみってやつね」
こうしていつの間にか雪風の家に霞が住むことになった。