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the keys  作者: 羽村奈留
70/158

第70話:土の意思2

 ラグは焼けた黒い地面を見ながらゆっくりと歩く。

「ここにはまだカレンがいる。捜せ。と、俺の中にいるコトックの爺さんが言うんだ」

「コトックの爺さん……」

 オーカスは暫く考えて賢者コトックの事かと認識する。賢者コトックが捜せと言っているのかもしれないが、黒い焼け跡は真っ平。何も無いのは一目瞭然で分かる。捜す気の無いオーカスは、暇を持て余してラグの周りを歩きながら言った。

「亡骸を捜すにしても、こうも跡形も無く燃えてしまっては、骨すら残っていないと思うのですが?」

「俺もそう思う」

 オーカスはラグの目の前で立ち止まった。

「珍しく意見が合いましたね」

 ラグは笑顔のオーカスと目が合った瞬間、視線を外して横を向いた。間を取り繕うために、急いで捜す振りをして地面を見る。

「そんな事で一々喜ぶな」

「すぐに怒る。貴族の身分がバレて少しは大人しくなると思いましたが、短気な性分は全く直りませんね」

 オーカスは膨れっ面になってラグに背を向けた。何気なく見た焼け跡の先に小さな光が見える。

「ん? あれはなんだろう」

「何か見つけたのか?」

 ラグはオーカスの横に並び、オーカスが見ている先を見る。だが、何も見えない。

「何も無いぞ」

 オーカスは指をさす。

「あそこですよ」

「どこだ? 見えんぞ」

「どうして見えないのですか?」

 オーカスは光の場所まで駆けて行き、立ち止まって声を上げる。

「あ!」

「何かあるのか?」

 ラグも小走りでオーカスの所へ行く。

 オーカスはしゃがんで黒い地面から小さな物を拾い上げた。それを掌に乗せる。

 ラグはオーカスの掌に載っているものを見る。何かのリングに見える。

 オーカスは摘まんで持ち上げた。

「これは土の鍵です」

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