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the keys  作者: 羽村奈留
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第67話:リー家の屋敷17

 賢者リーは白い手を伸ばし、賢者コトックの光の手を握った。

『私を助けに来てくれたのですか?』

何故(なにゆえ)、友の私に聞く?』

 賢者コトックの言葉のあと、急に会話が途切れ、また静寂が辺りを包む。

 白い影と光は動きを止めて、しばらくの間手を握り合ったまま、静かに向かい合って立っていた。

 賢者たちの間で何が起こっているのだろうか? 

 ラグとオーカスが、時が経つのを忘れて二人の賢者に注目をしていると、賢者リーの声が再び響いた。

『ならば真実を告げ、友であるあなたに願いましょう。我が愛しい子、カレンを助けて欲しいのです』

『その願い、受け入れるが、本当にそれでよいのだな?』

『はい。私は、火の鍵の導きに従う事に致します』

 白い影は頷く。そして一瞬だけ真の姿を現す。顔は肖像画のカレンにそっくりの女性だが、緑の黒髪は結っておらず腰より長い。チャイナドレスを着た賢者リーは、微かに微笑んで涙を流したあとに姿が薄くなり、完全に消え去った。

 同時に、部屋は何事も無かったかのように戦う前の状態に戻る。賢者リーが消える寸前に、土の鍵の魔力である再生の魔法を使い全てを元の状態に戻したからだった。

 白い光の男は、事の終わりを確認するとラグの体内に戻った。

 今度はラグの中で賢者コトックの声が響く。

『ラーグよ。賢者リーの願いどおり、カレンを助けるぞ』

 ラグは急に言われて戸惑う。

「助けるって、どうやって?」

 またラグの体内で、賢者コトックの声がする。

『我が炎は清めの炎。カレンが静かに眠れるように、今より我が魔力を使い、汚れたこの地を清める』

「それは?」

 ラグが言った直後に、ラグを中心にして大きな魔方陣が床に浮かび上がる。魔法陣は幾重にも輪が作られていき、輪の中に古代文字と幾何学的な模様や図形が形成されて、魔法陣はどんどん大きくなっていく。

「……もしや!」

 言ってからラグは急に走り出した。途中、床に座り込んでいるオーカスを拾うようにしてお姫様抱っこをして駆けて行く。

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