表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
the keys  作者: 羽村奈留
56/158

第56話:リー家の屋敷6

 オーカスの頭の中で、英雄ラーグのシルエットが浮かび、目の前のラグと重なる。

「ラグ殿……」

 オーカスが見守る中、ラグは瞳を開いて三回ほど瞬きをする。涙は無くなったが瞳はまだ潤んでいてアメシスト色に艶立っている。その目でラグは辺りを見回しながら言った。

「どこかにこの子たちの母上がいるはずだ。探さねば」

 オーカスは記憶を巡らす。

「確か王宮書庫にあった資料によると、現在リー家の鍵の継承者は、リー家の長女で三児の母親のはずです」

「鍵の継承者が長女で母親。余りにも似過ぎている」

 呟いたラグの言葉を、オーカスは聞き取れずまた聞き返す。

「え? 今なんと?」

 ラグはアメシスト色の目を見開いて、オーカスに聞こえるように少し大きめの声で言った。

「まだ母親の死体が見つかっていない。この子たちの母親を探すんだ。二手に別れて、ほかの部屋を見て回るぞ。分担したほうが一緒に回るより早いからな」

 オーカスは聞き取れなかった言葉がなんだったのか知らないまま返事をする。

「そうですね。分かりました」

 ラグとオーカスは、リビングを出て二手に別れた。

 白い影がリビングの中に現れた。影はリビングの中を移動して廊下に出て二手に別れたラグとオーカスを交互に見る。

「やっぱり鍵を求めて来たのね。懲りもせず次から次へと。許さないわ」

 白い影は、長いストレートヘアーでスマートドレスを着た女性の姿になると静かに消え去った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ