表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
the keys  作者: 羽村奈留
55/158

第55話:リー家の屋敷5

「他の死体と同じ服を着ているところを見ると、屋敷の使用人でしょうか?」

「だろうな」

 ラグは死体を避けて更に奥へと進む。

 オーカスは大きな扉を見つけて駆け寄る。

「ここはリビングでしょうか?」

 扉を押して中に入って行く。

 ラグも後に続き、中にあるテーブルとその上にある皿を見ながら言う。

「みたいだな」

 オーカスは身を屈めてテーブルの下を覗く。

「ここにも死体が」

 大きなテーブルの下に白骨化した死体がある。

 ラグもテーブルの下を覗き見る。

「それは子供だな」

「ドレスを着ているので、きっと女の子ですね」

 オーカスはラグを見るが、ラグは答えない。それどころか、ラグの顔色が青褪めている。

「ラグ殿。どうしたのです? 顔が真っ青ですよ」

 ラグは、胸を大きく動かしてゆっくりと呼吸をする。

「大丈夫だ。俺の事は気にするな」

 更にリビングの奥にある暖炉の傍には二体の子供の白骨化した死体があり、その横には大人と思われる男の死体があった。今も男の死体は剣を握っている。

 オーカスは、ラグを気にしながらも男の死体に近づいた。

「高貴な服装からして、この男はリー家の者で、あの子たちの父親でしょうか?」

 見れば、ラグは目に涙を浮かべている。

 ラグは、涙が流れ出す前に瞳を閉じた。

「きっとこの子たちの父上だ。我が子を守るために最後まで戦ったのだろう」

 ラグは静かに言った。品の良い貴族のように。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ