第4話:シーライト将軍1
ここは、吟遊詩人が神々が降臨した大地だと歌う世界、ユーフォリア。
剣と盾を持った人々が暮らす世界だが、文明はそう低くない。
空間と大地にある粒子と光の粒子を融合させて高エネルギーを作り出すエネルギー発生装置が有り、大型のものは飛空艇、小型のものは照明や調理器具など日々の生活に利用されている。
中でも、更に小型のエネルギー発生装置を所持し扱える技能者を魔法使いと呼び、それから発せられる高エネルギーを魔法と呼んだ。
先ほど話に出たシーライト将軍もその魔法使いの一人で、剣の腕も立つ彼は、優れた武勇の功績をいくつもあげ、ローラン国王よりマジックナイトの称号を得ていた。
シーライト将軍は、謁見の間に入ると早速王の前で片膝をついて頭を垂れた。肩にあった緩いウエーブのある獅子色の髪も顔を隠して垂れ下がる。一呼吸の静寂のあと、シーライト将軍の力強い声が謁見の間に響き渡った。
「ローラン国王の直々のお呼びだて、恐悦至極に存じ上げます。王のご機嫌麗しく……」
ローラン国王はシーライト将軍の挨拶を遮る。
「挨拶はよい。余は早くそちと話がしたい。別室に酒を用意した。そちも共に来るがよい」
「はっ」
ローラン国王は玉座から立ち上がり手招きをしてシーライト将軍を会席の間に招いた。
シーライト将軍は立ち上がって歩く。年齢は二十歳前後。マントを羽織り、銀の胸当てをつけただけの軽装備で、歩く姿は軽やかで優美。
ローラン国王は会席の間に入ったシーライト将軍を椅子に座らせた。
テーブルには様々な食事が並び、ローラン国王の贅沢な生活ぶりがうかがえる。
ローラン国王は対面して座らず、シーライト将軍の傍らに腰を下ろした。
「とりあえず、久し振りに会えたシーライト将軍との再会を祝おうではないか」
60歳を過ぎた国王は、目尻にシワを寄せてシーライト将軍との再会を心の底から喜んでいる。
シーライト将軍は笑顔を見せつつも恐縮した態度を見せた。
「このようなわたくしに、王自ら再会の祝い事など、恐れ多い事でございます」
側近は、笑顔を合わせるローラン国王とシーライト将軍のグラスに酒を注ぐ。
ローラン国王は、シーライト将軍と乾杯をしたあとに、側近に会席の間を出て行くように命じた。
側近は会釈をして出て行く。